【せんべろnet監修】“ひとり飲み”初心者が“もつ焼き”酒場を体験する噺
2024,3,29 更新
「酒噺:東京・大衆酒場の名店シリーズ」で一連の酒場知識を習得したお酒好きタレント・中村優さん。実践編に入って、女性ひとり(初心者)でも出来る「酒場」の楽しみ方を「せんべろnet」管理人のひろみんさんに教えてもらいながら体験していく第4回目。今回は、東京・板橋の成増エリアで話題のもつ焼き酒場を訪れました。
ひとりで、もつ焼き
「これは焼鳥店にも言えますが、ひとりで行くなら、1本から注文できる酒場がオススメですよ。同種2本というルールを設けているお店もあるので」
ひろみんさんは数ある推しの店のなかから、「成増の泰希(たいき)さんは、おいしくリーズナブルなことはもちろん、お店の皆さんが気さくで入門にもオススメですよ」とレコメンド。そこで今回は同店を舞台に、中村さんのもつ焼き酒場体験記をお届けします。
【酒噺のオススメ記事はコチラ】
【せんべろnet監修】ひとり飲み初心者にオススメなお店の噺
【せんべろnet 監修 】“ひとり飲み”初心者がはしご酒を楽しむ噺
【せんべろnet監修 】“ひとり飲み”初心者が「角打ち」に挑戦する噺
もつ焼きとは?
もつ焼きや、やきとんの店は、いわば豚肉のスペシャリスト。味の良し悪しを決めるのは肉の鮮度であるため仕入れ先には徹底的にこだわり、また部位のバリエ―ションが豊富なことも特徴。串焼きのほか、もつ煮込みや低温調理のもつ刺しなどが楽しめることも魅力です。
もうひとつ紹介しておきたいのが、鶏肉を使う「焼き鳥」ではなく豚肉の串焼きを「やきとり」として親しむ伝統食文化。北海道の「室蘭やきとり」や、埼玉の「東松山やきとり」が特に有名です。背景には、かつて鶏肉より豚肉のほうが安価だったという歴史や、その地に豚の食肉センターがあり手軽に入手できたという環境などが関係しています。
当時は贅沢だった鶏肉の代わりに豚肉を用いて串焼きを楽しんだ習慣が、そのまま食文化として根付いたことが「やきとり」の由来といえるでしょう。東京でも、西荻窪の「やきとり戎」のように、もつ焼きをやきとりとして提供する名店もあります(同店では現在、焼き鳥も提供)。
【関連記事】
【東京・沿線ぶらり酒】西荻窪の「戎ストリート」半世紀の歴史の噺
いざ、ひとり「やきとん 泰希」へ!
オープンは2020年12月と、比較的新しいお店ながらも貫禄は十分。木のぬくもりを感じる店内にはテーブル席のほかにカウンターもあり、ひとりでも気軽に楽しめます。中村さんが入店すると、「いらっしゃいませ~!」と元気な声が。にこやかに迎えてくれたのは、店主の田中さんと西川さんのコンビです。
ひろみんさんからの「泰希さんのドリンクは、チューハイのフレーバーと割り材の多彩さが特徴です」とのアドバイスをもとに、まずは西川さんに定番をたずねてみました。
中村 泰希さんのチューハイで、定番といえば何ですか?
西川 炭酸水とスライスレモンによるシンプルな「チューハイ」(380円)と、より柑橘の酸味が効いたすっきりした味の「レモンサワー」(430円)が二大定番ですね。
中村 では「レモンサワー」をお願いします!
西川 ありがとうございます! 当店の甲類焼酎は、樽貯蔵熟成酒が3%入った風味豊かな「極上〈宝焼酎〉」をベースにしているのもウリなんですよ。ということで、お待たせしました~。
中村 ですよね~。それにお品書きを見たら1本70円からと、めちゃめちゃリーズナブルじゃないですか!
中村 親しい方からということであれば、なおさら間違いないですね。では注文は、オススメ印のある「れば」と「はらみ」をお願いします!
田中 ありがとうございます! タレか塩かは、お任せでいいですか?
中村 はい、お任せでお願いしますー。
田中 まずは当店名物の「れば」から。お熱いうちにどうぞ~。
中村 熱源から近いということですよね。どう違うんですか?
田中 より火力が強くなるので、外はカリッと中はジューシーに仕上げやすいのですが、そのぶん焦げやすさも増すので目配り気配りが欠かせません。
中村 技術も要るということですよね!
田中 そうですね。あと、近火だと早く焼けるというメリットもあります。うちは焼き台が大きくないのですが、たくさん注文をいただいた際でもお待たせせず、スピーディーに提供したいんですね。それも近火にしている理由です。
田中 どの串焼きも、具材が回転しないよう芯を狙ってバランスよく刺すのですが、「れば」はやわらかいぶん動きやすい。そこで、「れば」はよりしっかり固定できる四角い串を採用してるんです。
中村 そういうことだったんですね!
【関連記事】
篠崎「大林」の魅力と「下町酒場の成り立ち」の噺
大衆酒場の酎ハイに欠かせない「下町炭酸」を飲み比べる噺
もつ焼き酒場の特徴
もつ焼き以外のメニューの定番は、「もつ煮込み」や低温調理の「もつ刺し」。煮込みはお店によって醤油、塩、味噌など味付けが異なり、具材がもつのみ、もつとこんにゃく、もつとこんにゃくと野菜など、それぞれに特徴があるのもポイントです。もつ刺しも部位によって食感や味が異なり、迷った際は盛り合わせを注文するといいでしょう。
ドリンクに関しては、甲類焼酎をベースとしたお酒が充実していることが特徴。飲み方のラインアップもお店ごとに多種多様で、「やきとん 泰希」は「ホッピー」や「ハイサワー」、「バイス」など豊富な割り材を用意していることが魅力です。
【関連記事】
【東京・大衆酒場の名店】この緊張感は何だ? 行列しても入りたい立石「宇ち多゛」の強烈な魅力の噺
いろいろな部位を味わう
中村 タンですね。ということで、次は「たん」をお願いします!
田中 こちらも塩でどうぞ。焼き立てが美味しいですよ!
中村 ホントだ! どう違うんですか?
田中 「上たん」は、通常のたんよりも脂がのった付け根の部分です。よりやわらかい食感と、ジューシーさも魅力ですね。
中村 なるほど~。では、もうひとつの数量限定部位「あぶら」(200円)は?
西川 「あぶら」は、小腸の周りにあるキクアブラと呼ばれる部位で、字のごとく濃厚な脂の甘みを楽しめます。味付けはタレのほうがオススメですね。
主なもつの部位
田中 はい、見た目が可愛らしくて女性にも人気の一品です。
中村 ますます気になる! では「タコさんウインナー」をお願いします!
もつ焼き酒場をより楽しむポイント
なお、見慣れない部位はお店の人に聞けば教えてくれますし、豚のイラストとともに説明書きが用意されているケースもよく見かけます。また、タレか塩かなどは、お任せで部位に適した味付けを基本としつつ、好みを指定できるというお店も多いです。
より美味しく食べるためには、提供されたらすぐに味わうこと。これは冷めないうちに、という意味と、時間経過とともに余熱が芯まで入りすぎて硬くなるからです。一度にたくさんではなく少量ずつ注文し、じっくり楽しむことがコツだといえるでしょう。
また、串から外さずに食べることも美味しく味わう秘訣。これは、串から肉を外すと穴からうまみや肉汁が出てしまうから。
老舗の中にはまれに、串から外してはいけないというお店や、注文は最初の一回のみという暗黙の独自ルールを設けているもつ焼き酒場もありますが、それはあくまでも例外。事前に「せんべろnet」をチェックするなど、予習しておけばより安心です。
アットホームな雰囲気の源にある店主の絆
田中 僕と西川が以前同じやきとん酒場で働いてまして、そこで意気投合して、ふたりでこの店を開業したんです。で、店名をどうしようかと考えた際、ふたりの子どもの名を使おうという話になったんですよ。
西川 そうなんです。うちの長男と田中の長女の名前を1文字ずつ採用して「泰希」。子どもの名前を付けたからには、絶対つぶすわけにはいかないって決意も込めています!
中村 スゴく素敵! おふたりの強い絆を感じますし、その仲のよさがお店のやさしく楽しい雰囲気を生み出してるんだと思います。と、話していたらまた「れば」が食べたくなったので、おかわりお願いします!
西川 かしこまりました!
撮影/我妻慶一
<取材協力>
住所:東京都練馬区旭町3-11-22
営業時間:15:00~22:30、土曜、日曜、祝日13:00~22:30
定休日:不定休
※価格はすべて税込みです
記事に登場した商品の紹介はこちら▼
・宝焼酎
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/takarashochu/
・極上〈宝焼酎〉
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/takarashochu/gokujo/
【せんべろnet監修】“ひとり飲み”初心者シリーズ▼
【せんべろnet監修】“ひとり飲み”初心者にオススメなお店の噺
【せんべろnet監修】“ひとり飲み”初心者がはしご酒を楽しむ噺
【せんべろnet監修】“ひとり飲み”初心者が「角打ち」に挑戦する噺
【せんべろnet監修】“ひとり飲み”初心者が“もつ焼き”酒場を体験する噺
【せんべろnet監修】“ひとり飲み”初心者が焼酎のボトルキープに挑戦する噺
【せんべろnet監修】“ひとり飲み”初心者が「せんべろセット」を堪能する噺
【せんべろnet監修】“ひとり飲み”初心者が平日にサクッと「家飲み」する噺



