全日本スナック連盟会長・玉袋筋太郎が教える!令和のスナックを堪能しまくる噺
2026,2,20 更新
昭和の香りが漂うお酒文化「スナック」。令和の今、若い世代の間でも“昔ながらのスナック”から“進化版ネオスナック”まで注目を集めています。そこで、『一般社団法人 全日本スナック連盟(全スナ連)』会長でもある玉袋筋太郎さん(玉ちゃん)を講師に迎え、2回にわたってスナック文化を深堀りします。第1回となる今回は、「今日から始められるスナックの楽しみ方」を教えていただきました。
会長、スナックってなんですか?
「基本的にはママさんがいて、カラオケがある店が多いよね。で、“カウンター越しに接客する”のがスナックってこと。その接客方法がキャバクラとの違いかな。うち(スナック玉ちゃん 赤坂本店)は風俗営業法の許可を取ってる営業形態だから隣に着いて接客してもOKなんだけどね。こうした例外もありつつ、そこは明確な線引きがあるのよ。まあ、システム的にはガールズバーと似てるんだけど、年齢層が高めで、時間制限がゆるいのがスナックだよね」
セット料金はお店によってさまざまですが、「スナック玉ちゃん 赤坂本店」は男性7000円、女性4000円で、混雑時は2時間制。赤坂見附駅近くという立地、なおかつ隣席接客が可能な営業形態と考えれば妥当な設定です。一方、郊外や地方のスナック相場はもっとリーズナブル。
「都心じゃなければ、男女共通でひとり3000~4000円ぐらいかな。俺はつい、ボトル入れちゃったり、『お釣りはいいです』って言っちゃったりするタイプだけど(笑)。金額がわからない場合は、絶対お店に入る前に聞くこと。俺だって必ず聞くもん」
「スナックでは基本、グラスじゃなくてボトルで提供されるのが一般的ね。それを水やお茶、炭酸水などで割ってもらうの。お酒のジャンルは本格焼酎ブームとかウイスキーブームに影響されたり、地域差もあったりするんだけど、やっぱ甲類焼酎は鉄板よ。
うちは焼酎が2種とウイスキー、梅酒の計4種がハウスボトルで、ビールとかその他のお酒は別料金ね。あと、割り材の炭酸水も別料金。この辺は店によってそれぞれかな。九州のスナックだったら、本格焼酎がハウスボトルって店も多いよね」
おつまみもお店の魅力、カラオケは独占禁止法
「おもてなし文化は、地方のほうが強いかも。ママ手作りのポテサラとか、マカサラ(マカロニサラダ)が出てくると俺は個人的に嬉しいんだよね。飲む前に、胃に膜を張りたいからさ(笑)。ちなみに、追加オーダーができるほど食事メニューがあるかどうかは店次第。俺の場合、焼きうどんがあると頼みたくなっちゃう。スナックに来たら、焼きそばよりも焼きうどん派なんだよね」
「でも、いくら歌を褒められたってマイクは独占禁止法よ。あと、知ってる曲だからといって、勝手にハモるのもダメ。大声で合いの手を入れるのも、周りがやってない限りは控えたほうがいいね。基本的には空気を読みつつ、合わせる気持ちがスナックの作法だからさ」
玉ちゃんのスナック愛
「働くようになると、上司や先輩にスナックへ連れてってもらえるようになってね。自分よりずっと大人たちばっかりだから社会勉強になるし、学校では教えてもらえないことのオンパレード! 人間として成長できるから、もし若い人が目上の人に誘われたなら、絶対行ったほうがいいと思うよ」
「たくさんあるけど、ママが高齢で閉めたお店はグッとくるよ。それこそ、うちの向かいにあった『パブ ラ・メール』は、先日36年の歴史に幕を下ろしたんだけど、ご近所の大先輩だったし、めちゃめちゃお世話になったから感慨深かったよね。
ほかにも、これは上野にあったお店の話。スナックって、常連のお客さんが亡くなると、そのお客さんのお葬式にママが参列するってこともあるのよ。で、その方には家族がいる。もちろん、家族はお父さんが通っていたお店の名前くらいは知ってるのよ。でも、そこで初めてママに会うわけ。
でさ、そのママがすごいのは、お客さんがよく歌う曲をノートに記してたの。それをご家族に見せて、『これ、お父様が大好きだった歌なんです』ってさ。すると家族は知らなかった一面に驚いたり、飲んでいた姿を思い返したりしてね。ママを通じて家族の絆がより深まる、みたいなさ。うん、最高のストーリーだよね」
勝手な名乗りから、社団法人に
「きっかけは『玉袋筋太郎のナイトスナッカーズ』っていう、スナックに飛び込んで紹介する番組から。その時、勝手に『全日本スナック連盟会長の玉袋です』って名乗ったのよ。そのうち『スナック玉ちゃん』ってイベントを毎月やるようになったんだけど、だんだん周りの仲間が面白がってくれて、『じゃあ一般社団法人にしちゃおう』つって始まったの」
そして業界をより深く知り、サポートすべく「スナック玉ちゃん」が実店舗になったのが2017年2月。やはり、今日までの歩みには“筋書きのないドラマ”があったようで。
玉ちゃん流スナックの楽しみ方
「スナックってのは、ママを行司とした公共空間なわけ。その場の空気を読んで、それでもわかんないことがあったらママに聞けば大丈夫。あとは時の流れに身をまかせ、あるいは川の流れのように、おだやかにこの身をまかせてね、ママの色に染まっちゃえばいいんだから」
“筋書きのないドラマ”は全国津々浦々、毎夜繰り広げられており、そのストーリーを楽しむのがスナックの醍醐味だと、玉ちゃんは再度熱弁します。
「毎回寝ちゃう常連さんとか、泣き出すおじさんとか、そしてそれをいさめるママね。この、リアルなノンフィクションが面白いわけよ。で、通っていくうちに、いつもは脇役だった自分が主役になる時があったりしてね。そうなれば、もう一人前だよね」
玉ちゃん直伝!スナックになじむテクニック
ママと仲良くなれば、常連さんともすぐに仲良くなれる。ママを中継して会話のキャッチボールをすりゃいいんだから。で、ネタに困ったら、地元バナシね。『観光や出張で来てるからおいしい店を教えてください』とか、『僕ここに引っ越してきたばかりなんですよ~』とか。間違っても政治、宗教、野球の話はしない方がいいね」
カラオケの選曲に関しても裏技がありました。それは、デンモク(カラオケ用のリモコン)の履歴を見ること。つまり、そのリストこそがよく歌われているナンバーだということです。
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玉ちゃん流、お店の探し方
「やっぱ、前もって料金がわかる店がいいよね。最適解は、地元の人にオススメを聞くこと。飲み屋の大将とか、タクシーの運転手さんとか、ホテルのフロントとかね。それが難しい場合は、まず料金が掲示してある店を選んで。もし、それもない場合は表に出てる空き瓶の箱。そこに『宝焼酎』が置いてあったら、良心的に飲ませてくれる店だね(笑)!」
ただ、空き瓶の箱もなく、お店の雰囲気を探る選択肢が少ない場合もあります。実は、これにも裏技があると教えてくれました。それは、電話をしているふりをしながらドアを開けること。
おつまみに関しては、基本はおまかせ。食事は一軒目(居酒屋など)で済ませておくのが一般的で、それでも料理をオーダーしたい場合は、お品書きが置いてあったり、壁にメニューが書いてあったりすればOK。
「なかには出前を注文できるスナックもあってね。そこからオーダーしたい場合も、ママに聞けばいいから。あとは、常連さんが土産とか差し入れを持って来てくれるケースもあるのよ。ああいった粋なサプライズは、黒帯(常連客)になってからだよね」
そしてドリンクの割り方についても、より詳しく教えてもらいました。割り方や味の濃淡調整なども、ママにお願いすればいいのでしょうか?
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スナックは宝の山
「なんだかんだ、スナックってハードルが高いと思われがちだけど、中にはレトロだなんつって、楽しんで来てくれる若い子もいるのよ。それに、他の酒業態にはないクセがあるから、わかる子には刺さるんだろうな。
ぜひ、いくつか好みの店を見つけてほしいね。で、4枚ぐらい“カード”を持っておくといいよ。しっぽり飲みたい時はここ、にぎやかに飲みたい時はここ、ママに相談したい時はここ、手料理が食べたい時はここ、みたいな感じでさ。 スナックは宝箱。そのフタを開ければ、きっと未知なる体験が待っている。スナックは宝の山でもあるんだから!」
<取材協力>
住所:東京都港区赤坂4-2-3 ディアシティ赤坂 B1 102号
営業時間:20:00~翌1:00
定休日:土、日曜、祝日
http://snatama.com/akasaka/
撮影/鈴木謙介
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【玉袋筋太郎イベント】
スナック玉ちゃん〜玉袋筋太郎という芸名とともにうっかり40年〜
出演:玉袋筋太郎(マスター)、桐畑トール(チーフ)
日時:2026年3月28日(土)
会場:東京カルチャーカルチャー(東京都渋谷区1-23-16 cocotiSHIBUYA 4F)
チケット:前売り4000円(※peatixにて発売)
【イベントの詳細はコチラ】
【玉袋筋太郎YouTube】
玉チャンネル
毎週(木)17時配信予定。ほか不定期。
【玉袋筋太郎最新刊】
『愛し、愛され。』
毒蝮三太夫、玉袋筋太郎・著
KADOKAWA・刊



