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会館飲み実践編② 京都駅前・リド飲食街の噺
2023,11,10 更新
京都で人気を集める「会館飲み」。前回の実践編では若い店主が新たに作り出す、大宮・新宿会館の様子をご紹介しました。今回は、ちょっと切り口を変えて、時代を超えて存在し続ける古き良き、「会館」の酒場をご案内します。
訪れたのは京都3大ディープ酒場のひとつに数えられる、京都駅前の「リド飲食街」。
「会館飲み」という言葉ができるずっと前から、お酒好きたちの心を癒してきた酒場とは一
リド飲食街、その歴史を紐解くと…
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加藤先生の定義では、パッサージュ型(通り抜けられる形の建造物)と分類されるもので、厳密には京都における「会館」ではないのですが、現在では会館の仲間として数えられています。
常連に歴史あり。密かに通い継がれる名店「お福」
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着席するスペースの奥行きは80cmほど、5席ほどのカウンターのみの空間は、これぞ「会館」と呼びたくなる趣です。
荒木悦子さんが切り盛りする店内は、コンパクトでどこか懐かしく、まるで昭和の酒場に迷い込んだような雰囲気に浸れます。
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お酒のお供は、仲間との会話と祇園で磨かれた本格料理
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「お客さんの顔をみるとね、この人は何を食べたいかが分かるようになってきました。おばんざい以外にも、馴染みの魚屋から仕入れる鮮度の良いお魚もありますよ」と荒木さん。
ごぼうのきんぴらに、ほうれん草のごまよごし、そして赤こんにゃく。いずれも出汁がしっかりと利き、はんなりと優しい甘辛さを感じる京料理。この小さなカウンターでここまで美味しい料理がいただけるとは感激。すっきりとした「豪快」との相性も良く、ついグラスを傾ける手が止まらなくなる美味しさです。
この荒木さんの味と、気風のいい会話に惚れて通い続けた常連も数多いそうで、中には京都を代表する企業の方々もいらっしゃるとのこと。
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苦難を乗り越えた微笑みに癒される、癒しの聖地「マンナム」
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こちらも、リド飲食街にある昔懐かしい雰囲気の漂う酒場です。
私たちを迎え入れてくれたのは、穏やかでゆったりと話す店主の星野美紀さん。元々近隣の大型商業店舗で働いていた星野さんは、同僚の誘いを受けて「リド飲食街」に店を構えて以来、18年間一人で店を切り盛りされているそう。
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そんな苦労人の星野さんを支えてくれたのも、常連さんだったと言います。
「お客さんがお店の雰囲気を作ってくれて、お客さん同士が居心地良くいられるようにマナーを守って飲んでくださるようになって、今ではお客さん同士も私も、和気あいあいと話せる場所になりました。昔よりずっと肩の荷を下ろしてお店ができています」。
年配の方も、若い女性も笑顔でくつろげる心温まる料理とお酒
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今日のおすすめは、大トロに鱧落とし、てっぴ(フグ皮)にマカロニサラダの盛り合わせ。ピンとしたふぐかわと、とろける大トロ、ほとりと味わい深い鱧は鮮度の良さが際立ち、マカロニサラダはあくまで優しく、滋味深い味わいです。
おすすめのお酒は、全量芋焼酎「一刻者」のロック。近頃では、男性はもちろん、女性にも芋焼酎の人気が高くなっているそうで、お店の壁にずらりと並んだボトルには女性の名前もちらほらとみられます。
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そんな優しい言葉をかけていただき、酔いのせいだけではないポカポカとした気分で、「リド飲食街」を後にします。
「ただのお酒好き」に戻れる場所へ
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常連さんにとっても、浮世のしがらみを忘れ、誰でもない「お酒好き」として目の前のお酒や気心の知れた仲間との他愛のない会話に興じられるこの空間は、他に変え難い場所なのでしょう。
皆さんも、安らぎに包まれながらお酒と料理を心から楽しめる場所として、「リド飲食街」でのひと時をお過ごしください。
<取材協力>
〒600-8217
京都府京都市下京区東境町180
協力店舗
〇お福
〇マンナム