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みなさんはいくつ出合いましたか?地域限定クラフトチューハイの噺

みなさんはいくつ出合いましたか?地域限定クラフトチューハイの噺

2023,12,8 更新

もうすっかり知れ渡った「クラフト系」のドリンク。ブームの初めはクラフトビールが人気となりましたが、次第にジンやウイスキー、ジンジャエールからコーラまで多彩なドリンクが登場してきました。その中に「クラフトチューハイ」があるのをご存知ですか?今回の酒噺では、そんなクラフト系ドリンクの定義に始まり、クラフトチューハイの魅力まで、詳しく解き明かしていきます。

そもそも「クラフト」とは?

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今ではさまざまな種類のドリンクで目にする「クラフト」の名称ですが、その発端はクラフトビールと言われています。そしてクラフトビールの発祥は日本ではなく、アメリカ。
アメリカでは、もともとクラフトビールは、※1「小規模生産」、※2「独立している事」、※3「伝統的である事」の3要件を満たしている、※4ブルワリーがつくるビールと定義されていました。やがてクラフトビールが日本に持ち込まれ、発展していく中で次第にその定義が変わり、さらに伝統的な製法かつ地域の物産品を取り入たもの、地域に根ざしていることなどのイメージが加わったものが、今日の日本における「クラフト」のドリンクなのです。
アメリカのクラフトブリュワリー業界団体「Brewers Association(ブルワーズ・アソシエイション)」の定義
※1小規模生産=年間生産量が約70㎘以下
※2独立=大手ビールメーカーの持ち株比率が25%未満
※3伝統的=伝統に革新を加えた製法と原料
※4ブルワリー=ビール醸造所

「クラフトチューハイ」って?

時代の移り変わりとともに、ビール以外のさまざまドリンクに波及していった日本の「クラフト」。その中で生まれた一つが「クラフトチューハイ」です。その誕生の背景とこだわりについて、商品企画・開発に携わる宝酒造・商品第二部の田中宏佑さんと松岡紘平さんにお話を伺いました。
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松岡さん「”寶CRAFT(タカラ クラフト)”が誕生したのは2017年。日本各地で生産されている果実等の素材を使った地域限定のチューハイで、現在は41アイテム(※2023年12月現在)をラインアップしています」
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現在販売中のクラフトチューハイ「寶CRAFT」全41アイテム
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田中さん「“クラフト”と聞くと、地域の小規模な醸造元が手間暇をかけてつくったドリンクというイメージがあると思います。私たちは大量生産が可能なメーカーなので、そういった面では少しイメージと違うかもしれませんが、“クラフト”と銘打ったのは、私たちだけでつくっている商品ではなく、地域の生産者さんと手を組んでいる点にあります。日本各地で採れる素材に合わせて、私たちが保有する約2万樽・85種の焼酎の中から、その素材の個性を生かす最適なブレンドを選んでつくるという手間、その素材ならではの味わいを追求するという点が私たちのこだわりです。私たちは“クラフト”に、少量生産かつ地域に根ざしているという意味だけでなく、本来の意味である“クラフト(職人技)”という意味も込めているんです」

地域に根差した地道な努力が実を結ぶ

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松岡さん「現在41アイテムの“寶CRAFT”がありますが、原料に使用されている素材は、全国各地で働くセールス担当者が発見・提案してくれたものが殆どです。その提案を受けた我々が、地元の生産者さんに掛け合って商品化を行っています。開発に際しては、何度も現地に足を運び、実際に果実を味わい、地元で食べられている郷土料理との相性を確かめて初めて、ようやくクラフトと呼べる商品ができる。それだけに、私たちも商品化に携わった一本一本に強い思い入れを持っています」
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田中さん「特に印象に残っているのは、“小笠原パッションフルーツ”と“小笠原島レモン”ですね。小笠原諸島は太平洋の沖合にあり、東京港から片道24時間を要する人気の高い観光地なのですが、小笠原の特産である果実は、観光シーズンとややズレた時期に収穫されるんです。地元の方から“観光に来た人にも特産品を味わってほしい”というお声をいただき、私たちも何度も小笠原に足を運びながら、商品開発を進めました。クラフトチューハイができたことで、島のパッションフルーツやレモンの味わいが一年中ドリンクで楽しめるようになりましたし、島の飲食店はもちろん、本土と小笠原諸島をつなぐ連絡船の船内でも販売され、多くの方から喜んでいただけるようになりました。さらに嬉しかったのは、この開発を通して島の農家さんのほぼ全員に自分の名前を覚えていただけて、島を歩くと気さくに声をかけてもらえる間柄になれたことですね」
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松岡さん「私にとっての思い入れが強いアイテムは、今年の11月に発売された“京檸檬”です。これは、レモンを京都の新名産にするためのプロジェクトに宝酒造が開始当初から参加し、植樹なども生産者の方々と一緒に行いながら、5年間という長いスパンをかけて生み出した商品です。京都は冬の気温が低く、黄色く完熟してからの収穫が難しい点を踏まえ、あえてフレッシュで香り高いグリーンレモンの段階で収穫することで、ほのかな苦味と清々しい香りの個性ある商品に仕上がりました。京都の人々が愛する「お好み焼き」や「ベタ焼き」などとの相性も抜群ですので、ぜひ京都にお住いの方だけでなく、観光客の方にも味わっていただきたいです!」
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完熟前のグリーンレモンで収穫される「京檸檬」
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“どこでも一緒じゃつまらない”から生まれたクラフトチューハイ

多彩なラインアップの“寶CRAFT”ですが、残念なことに全アイテムが地域限定販売で、その地域以外では買えないのだとか。でもそこには、理想がありました。
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田中さん「私たちは、全国どこででも買えるお酒も販売しています。でも、気候が違う、郷土色も違う、人々の気風も違う、そんな地域特性のある日本に“同じお酒しかない”なんてつまらないと思うんです。その場所に行くからこそ出合えるもの、味わえるものがあれば、訪れる楽しさも増しますし、その土地の方にも“ウチの地域の名産だ!”と愛してもらえると思うんです。それに、地域限定で少量生産することで、小さな農家さんの作物でも商品化できますし、形やキズなどを問わないチューハイに加工すれば、農家さんが大切に育てられた作物を無駄なく利用できて、さらに一年中いつでも味わってもらえるようになります。私たちメーカーとしては、手間こそかかりますが、それ以上につくり甲斐のある商品ですよ!」
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松岡さん「“寶CRAFT”を取り扱っていただいているのは、各地域の飲食店や道の駅、主要駅の売店などが多いですね。私たちは、その地域の名物料理と一緒に楽しんでいただける味わいになるよう商品開発していますから、ぜひ現地で“寶CRAFT”を飲んでいただきたいです。理想は、地域住民が選ぶ“乾杯用のお酒”として定着していくことですね」

ご当地で美味しく幸せなひと時を

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みなさんも、観光や出張で訪れた場所で、“寶CRAFT”を探してみませんか?

現在の販売地域やラインアップは、寶CRAFTブランドサイトでもご確認いただけます。各地の生産者さんが丹精こめて育てた作物から生まれたクラフトチューハイと、ご当地のご馳走で、美味しく幸せなひとときを楽しんでください。
▽記事で紹介したお酒はこちら
・寶CRAFT(タカラ クラフトチューハイ)
   

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