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【関西チューハイ事情】 意外なベストパートナー!? 京都[雑魚や]で味わう海鮮×「生レモン酎ハイ」の噺

【関西チューハイ事情】 意外なベストパートナー!? 京都[雑魚や]で味わう海鮮×「生レモン酎ハイ」の噺

2023,12,1 更新

東京出身、大阪在住の酒場ライター・スズキナオさんによる、関西のチューハイ文化を探求する連載「関西のチューハイ事情」は、今回で最終回。締めくくるのは、京都のど真ん中にある少し意外なロケーションで味わう海鮮とレモンチューハイ。その相性とはいったい?

チューハイの新たな可能性。

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第6回を迎えた「関西チューハイ事情」ですが、これまでの取材では、串カツ、焼肉、お好み焼きやホルモンとチューハイとの相性のよさを改めて体験してきました。

それぞれのお店のチューハイへのこだわりについて知り、それを美味しい料理と合わせた時のこの上ない味わいを堪能してきたわけですが、一つ、見落としていたものがあることに気が付きました。それは、“チューハイと魚料理との相性”についてです。

肉料理や粉モンや、あえて濃い目の味付けに仕上げたお酒のアテとチューハイの味わいがマッチするのはわかる。一方、魚料理とチューハイというと、ちょっとイメージが浮かばなくないですか?どちらかというと日本酒やワインの方が相性よさそうに思えます。

しかし、魚介類とだって、きっと素晴らしいマリアージュを見せてくれるはず!そう思い、驚くほど新鮮な魚を美味しく調理して食べさせてくれる京都の人気店[夢処 漁師めし 雑魚や]を訪ねてみることにしました。

京都ど真ん中に現れた京町家の港の料理屋さん。

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[夢処 漁師めし 雑魚や]は、京都を拠点に複数の業態を展開し、そのどれもが人気店になっている「雑魚やグループ」の本店的な位置づけのお店です。
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たとえば[鮨 ざこや]では寿司をメインに提供し、[京の立酔処 雑古や]ではリーズナブルな立ち飲み価格で魚料理を出し、と、「雑魚やグループ」では店舗によって様々なコンセプトを提示しているのですが、[夢処 漁師めし 雑魚や]はそれらすべてのベースとなるようなオールマイティなお店になっています。
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“京都の真ん中にある港“というコンセプトを掲げ、今年でオープンから10年。店長の松井翔太さんと、その右腕となる藤原颯(はやて)さんを中心に、流行に敏感な若い方から、美味しい魚料理に目がない中高年層まで幅広いお客さんの支持を集めています。

鮮魚店顔負け! 圧巻の冷蔵庫で品定め。

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[夢処 漁師めし 雑魚や]に入店したお客さんがまず通されるのは、活きのいい魚介類がずらりと並ぶ冷蔵庫前のスペースです。
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その時々の旬の素材についてお店の方から説明を受け、どの魚介類をどんな食べ方で調理してもらうかを決めます。「塩焼きで食べたい」「煮つけにして欲しい」といったリクエストも受け付けてくれますし、おすすめの食べ方を提案してもらうこともできます。
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人数やお腹の減り具合などに応じて柔軟に対応してくれるそうなので、気軽に相談してみましょう。ちなみに、今回の私のリクエストはもちろん「チューハイに合う魚料理」です!
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宝焼酎「レモンサワー用焼酎」(35°)は鮮魚にも合う。

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[夢処 漁師めし 雑魚や]では、“宝焼酎「レモンサワー用焼酎」(35°)”を使用した「生レモン酎ハイ(550円)」を提供しています。
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店長の松井さんいわく、「レモンサワー用焼酎」にレモンを絞ってさらに香りを足し、サーバから注ぐ強炭酸で割るのがこだわりのポイントとのこと。松井さんご自身も大のお酒好きで、日常的にチューハイを飲まれるそうです。「甘いチューハイが苦手なので、『レモンサワー用焼酎』に強炭酸を合わせたすっきりした後味が好きなんです。これを飲むと他のものには戻れませんね」とおっしゃっていました。
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ちなみに、[夢処 漁師めし 雑魚や]は過去に「レモンサワーフェスティバル 2019」にオリジナルチューハイを作って参加したこともあるお店。そんなところからも、こだわりの強さがうかがえます。

お造りと「生レモン酎ハイ」の相性はいかに?

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まずは、「お造り盛り合わせ(一人前1,400円。写真は2人前)」を「生レモン酎ハイ」と合わせていただくことにしましょう。
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仕入れの状況に応じて旬の魚6点ほどを選んでくれるという「お造り盛り合わせ」ですが、取材時はマグロ、ブリ、鯛、信州サーモンの分厚いお刺身と、サワラと太刀魚の炙りをセットにしていただきました。ブイを半分に切ったものを器代わりにしているそうで、その豪快な見た目も印象的です。
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まず、マグロのお刺身を一口いただき、「生レモン酎ハイ」を飲んでみます。新鮮で上質な脂が口にほんのりと残ったところに、すっきりした後味が合わないわけがありません。

さらに、軽く炙られたサワラと太刀魚の風味との相性は抜群でした。お刺身の質や素材のチョイスによって、魚介類とチューハイはこんなにぴったり合うものなのかと驚かされました。

素材の良さが光る海鮮揚げ物×「生レモン酎ハイ」でもう一杯!

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次に、松井さんが「レモンチューハイがめちゃくちゃ進むと思いますよ!」とおすすめしてくれた揚げ物3品をいただきました。
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北海道釧路町・仙鳳趾(せんぽうし)産の牡蠣を使った「カキフライ(2個2,000円)」は身が大きく、それでいて味はどこまでも濃厚です。自家製タルタルソースを添えて提供してくれます。
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「甘鯛のうろこ揚げ(2,500円)」は、あえてうろこを残してあるゆえにサクサクした食感が楽しく、それでいて身はふっくらとしています。
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「あんこうの唐揚げ(1,200円)」も「生レモン酎ハイ」の味わいとのバランスが素晴らしく、松井さんのおっしゃる通り、グイグイと飲めてしまうのでした。

「生レモン酎ハイ」はお店でも人気で、最初から最後までずっとこれ一本でいくお客さんも多いそうです。
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「お客さんとの会話を大事にしています」と語る松井さん。お客さんがどんな気分で、どんな料理を求めているかをコミュニケーションの中から感じ取って料理に反映させていくのが楽しみなのだそうです。
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たとえ同じメニューを注文しても盛り付け方や味付けはその都度微妙に変えていて、そのマニュアルのなさが[夢処 漁師めし 雑魚や]の一番の魅力だといいます。

鮮魚の自動販売機でおみやげも。

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美味しい魚介類とチューハイをお腹いっぱい味わって、お店を後にすることにしました。店舗の前には[夢処 漁師めし 雑魚や]のオリジナル商品が購入できる“鮮魚の自販機”が設置されています。

「お造り盛合せ」「トロたくつまみ」「究極のさきいか」といった魅力的な商品が並び、食後に買っていく方だけでなく、これだけを目当てに来る方も多いのだとか。

主に昼間に補充されることが多いそうなので、気になる方は夕方以降の時間を狙ってチェックしてみてください!

ここまで、6回に渡って連載してきました【関西チューハイ事情】は今回で終了となります。取材にご協力いただいたお店の方々、そして読んでくださったみなさん、本当にありがとうございました!関西にはチューハイにこだわるお店があまり多くないのかなと勝手に思ってしまっていたのですが、そんなことはなく、これからの研究がますます楽しみになりました!

みなさんもぜひ関西ならではのチューハイ文化を探してみてください!


<取材協力>

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夢処 漁師めし 雑魚や
京都府京都市中京区六角通烏丸西入ル骨屋町147-3
075-221-3358
営業時間 11:00〜14:00、17:00〜23:00(ラストオーダー22:00)
定休日 日曜日&月1回月曜日
(取材日:2023年11月2日)


▽記事に登場したお酒の紹介はこちら
・宝焼酎「レモンサワー用焼酎」35°

▼「関西チューハイ事情」バックナンバーはこちら

【第1回】大阪チューハイ文化のパイオニア、ヨネヤ「純ハイ」の噺

【第2回】東京スタイルで関西に上陸!「立呑み晩杯屋」の噺

【第3回】串かつを大阪名物に押し上げた[串かつ だるま]と、「だるまハイボール純」の噺

【第4回】京都ならでは!?[お好み焼 吉野]で味わう「赤」の噺

【第5回】自席でチューハイを注げる。エンタメ要素も満載![焼肉ホルモンおときち]の噺



   

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