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紹興酒との相性抜群!本格四川料理の噺

紹興酒との相性抜群!本格四川料理の噺

2019,8,16 更新

蒸し暑い季節になると、発汗作用のある辛い食べ物がほしくなるもの。辛い食べ物は数あれど、思いっきり汗をかくなら唐辛子と山椒のシビ辛な刺激が楽しめる四川料理が一番! もちろん美味しい料理には美味しいお酒も欠かせません。中国料理にぴったりなお酒といえば、紹興酒。中国が生んだこの素敵なマリアージュを求めて、京都市の南部に位置する伏見に出かけました。

四川料理と紹興酒のお話

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お店に出かける前に、少しだけ今回紹介する料理とお酒のお話を。
四川料理はその名の通り、中国北部四川省で食べられている料理のことで、その特徴は唐辛子や山椒といった香辛料を多用すること。これは湿気が高く、夏と冬の寒暖差が激しいという四川の気候によるもので、辛味により食欲や胃腸を刺激し健康に過ごそうという生活の知恵。湿気や夏の暑さは日本にも共通するものなので、まさにこの時期にぴったりの料理というわけ。
私たちの知っている麻婆豆腐やよだれ鳥、回鍋肉(ホイコーロー)や青椒肉絲(チンジャオロース)などおなじみの料理は全て四川が発祥の地です。
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そのお供となる紹興酒は、浙江省紹興市を中心に良質のもち米を原料として醸造されたお酒で、程よい酸味と独特の香り、ほのかな甘味が特徴。
かつてはホットにして、ザラメなどと一緒に飲む飲み方がありましたが、質の高い紹興酒が輸入されるようになった現在は、ロックや常温のストレート、炭酸で割るなど様々な形で楽しまれています。

一流ホテルを歴任した料理人が構えた、理想の店

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今回訪れたのは京都市の南部、近鉄「伏見駅」すぐにある「BISTRO四川食堂」。
リーズナブルながら本格的な四川料理が味わえるとのことで、開店から1年を経たずして多くの常連から賞賛の声を集める人気店です。
シェフを務める寺田光明(てらだ・みつあき)さんは、京都一流ホテルの中国料理シェフで名を轟かした料理人。35年以上中国料理の厨房に立ち続けた寺田さんが満を持してオープンしたのがこの四川食堂なのです。
「自分の好きな料理・得意な料理を出したい、自分が美味しいと思うものだけつくりたい」と寺田さんは語ります。
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「日本の中華料理じゃなくて、四川で食べられている四川料理を提供したいんです。だからウチには餃子とか焼売、八宝菜などのいわゆる“中華料理屋”のメニューはありません。本場の四川料理は唐辛子や山椒をたっぷり使うし、クセのある香辛料も使うので万人ウケするものではありませんが、私が本当に美味しいと思うものを、一緒に美味しいと思ってくれる人の顔を見て、会話をしながら料理を作りたかったんですよ」
つまりここは、寺田さんの理想を体現した厨房。本当にやりたいことを追及するその姿勢から生まれた料理、何としても食べたくなりました。

珠玉の四川料理と紹興酒の誘惑

厨房に寺田さんが立ち、中華鍋を振り始めると店内には刺激的な香りが立ちこめます。はじめに登場したのは目にも涼やかなハモの花山椒ソース。
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さっと湯にくぐらせたハモによく冷えた冬瓜、ネギと花椒(ホアジャオ)に酸味のある青麻鮮(チンマージェン)のソースが絡み合った、まさに夏向きの冷菜です。
「前菜はちょっとコクのある紹興酒がいいね。熟成したものをストレートやロックで飲むのもおすすめだね」という寺田さんのアドバイス通り、香り豊かな熟成紹興酒がよく合います。
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続いては京野菜を使った一品。
賀茂茄子とエビの四川風。たっぷりと身の詰まった賀茂茄子は甘くとろける食感、香ばしく揚げられた海老とのコントラストが見事。香菜と甘酸っぱくほんのりと辛い魚香(ユイーシャン)ソースが食欲を刺激してくれます。
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四川料理の代表格、麻婆豆腐もこの店を訪れたら絶対に味わいたい一品。
数種類の豆板醤に、八角や肉桂で香りを移したラー油をたっぷりと回しかけ、土鍋でグツグツと沸き立たせたところに、花椒をかけた純正統派のビジュアル。
びりりと辛くて、花椒の爽快なしびれが鼻の頭に汗を呼ぶ刺激的な味ながら、旨味もたっぷり。絹ごしの豆腐がまた濃厚な味わいを一層引き立てます。
寺田さんのアドバイスは「辛くて濃厚な料理には、紹興酒のオンザロックがおすすめ。グビグビ行くのも気持ちよく飲めるよ」とのこと。
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紹興酒に合わせる料理が続いたところで、ちょっと趣向を変えて、宝のクラフトチューハイ<京都ゆず>にぴったりな一品が登場。
ネギや生姜、花椒をすり込み、水飴を塗って2日ほど干した若鶏を、香ばしく揚げた「若鶏のパリパリ揚げ」です。熱した油の中に鶏の身を入れ、火を止めて低温で熱を通す工程をなん度も繰り返すことで、表面には十分火が通りクリスピーな食感、身はあくまでも柔らかくしっとりとしていて上品な仕上がりに。
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辛さだけでなく、スパイス使いの妙も四川料理のポイント。
それを味わえるのが、豚のスペアリブのスパイシー揚げ。口に入れた瞬間に甘くて爽やかな香りが鼻へと抜けていきます。これは八角、丁香、肉桂などからなる五香粉(ウシャンフン)にクミン。骨についた肉の一片までこそぎ落として食べたくなる深い旨みが特徴。紹興酒のオンザロックがスパイスの香りを膨らませてくれるので、ついついグラスが進んでしまいます。

さまざまなタイプの紹興酒を味わいたければ、ぜひとも四川食堂に向かうべし!

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四川食堂には10種類ほどの紹興酒が揃っており、いずれもリーズナブルに楽しめるのが魅力。しかも紹興酒との相性を考えた料理が次から次へと出てくるので、ここに来たならば注文しない理由はありません。
皆さんの中には「紹興酒のあの匂いが苦手で…」と感じている方がいるかもしれませんがそういう方こそ、ぜひともこのお店に訪れていただきたいもの。
なぜならカウンター越しに寺田さんへ質問を投げかければ、注文した料理にぴったりな紹興酒の銘柄、飲み方を紹介してくれるからです。
これまでこの店で紹興酒の再デビューを図って、すっかり病みつきになってしまったお客さんは数知れず。1杯頼んでみて、2杯目にはつい「ボトルで!」と注文してしまう方や、2度目の訪問で目の前にずらりと銘柄、熟成年数の違う紹興酒を並べて飲み比べに挑戦するなんて方もいたそうです。

まだまだ暑い日々が続くこの頃、京都伏見にある小さな名店で、辛さと旨さを両立する本当に美味しい四川料理と香り高い紹興酒をゆったりと楽しみませんか?
喉とお腹からはじめる暑気払いがきっと病みつきになるはずですよ!

<取材協力>

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Bistro四川食堂
営業時間:ランチ 11:30〜14:30/ディナー 17:30〜21:30 L.O.21:00
定休日:月曜日、木曜日
住所:京都府京都市伏見区奈良屋町1084-10
※取材データは2019年7月時点



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