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神戸・三宮で楽しむ、異国情緒満点のストリートグルメの噺

神戸・三宮で楽しむ、異国情緒満点のストリートグルメの噺

神戸といえば、横浜、長崎と並んで日本三大中華街のひとつ・元町を有する中華料理のメッカ。 「すっかりメジャーになってしまった中華街はちょっと敷居が高いかも…」と思う方もいるのではないでしょうか。そんな方は元町から一駅先ほど足を伸ばしてみることをお勧めします。 そこには、本格的な味わいながらも値段はリーズナブル、しかも店構えは雰囲気満点。 あたかも中国や台湾の屋台街を訪れたかのような、ストリートグルメ感満載のお店があるのです。

夜の街を明るく照らす露天の賑わい


阪急電鉄神戸三宮駅から歩いてわずか3分ほど。
飲食店のひしめく駅前にあってひときわインパクトのあるお店が、今回訪れた“餃子屋 社領”(しゃりょう)。

神戸といえばおしゃれで華やかな港町といった印象を持つ方がいるかもしれませんが、ここはその対極。
こじんまりとした店構えとテントのような飲食スペース、風除けのビニールシートがかけられた様子は親しみやすく、気軽に楽しめる雰囲気が魅力の居酒屋です。
宵闇の迫る頃ともなれば店内に火が灯り、中華の名菜とお酒、そして仲間との会話を楽しむ人々の様子が、幻燈のように浮かび上がります。


雰囲気たっぷりの店構えと料理の美味しさから、行列必至のこの店を切り盛りするのが店主の社領好文(しゃりょう・よしふみ)さん。
関西でも屈指のおしゃれな街・三宮にあって、あえてこのスタイルを貫くその理由を伺いました。

目指したのは台湾の庶民派居酒屋「熱炒」


もともと、飲食店のプロデュースを行う企業のサラリーマンだった社領さん。
そのノウハウを生かして、開店コストを抑えつつも魅力的な店づくりを目指したのがこの“餃子屋 社領”だそう。

「この店を構えたのは2012年5月。それまでは、店舗プロデュースなどは行っていましたが、料理人としての経験はほとんどゼロ。そんな私が三宮をはじめ、日本だけでなく台湾などの流行りのお店を巡って、そのエッセンスを集めたのがこの店です。特に影響を受けたのは、台湾の庶民的な居酒屋の「熱炒」(ルーチャオ)。熱気にあふれてリーズナブルに料理とお酒が楽しめるスタイルに惚れ込んでこの店を作ったんです。とはいえ、開店当初は餃子と2〜3品ほどの料理しかなかったのですが、幸いなことにお客さんがこの店を気に入ってくれて“こんなのが食べたい”“あれも作って!”なんて要望をくださって、それに応えているうちにメニューのレパートリーがどんどん増えていったんです」。


今では数多くのメニュー短冊が店内を飾っている“社領”。そのどれもが、魅力的なだけでなく圧倒的にリーズナブル。
その様を見れば、お客さんがこの店を行きつけにする理由も自然とわかるというものです。

次々登場!本場顔負けのストリート中華


お店の成り立ちもそこそこに、この店自慢のお料理をいただきます。


まずは前菜の黒胡椒枝豆と蒸し鶏。
黒胡椒枝豆は、黒胡椒だけでなくニンニク・ごま油の効いた、おなじみの茹で枝豆とは一線を画すパンチのある一品。これだけで、お酒が何杯もいただけます。

もう一つはシンガポールや中国海南(ハイナン)でおなじみの、しっとり柔らかい蒸し鶏。むっちりとした肉質で、噛むほどに肉汁が溢れる名作ですが、実はこの蒸し鶏こそがこの店の他の料理のキモとなるのです。

半露天である社領では、お酒は瓶のキャップを開けて提供されます。オーダーしたのはもちろん、タカラ焼酎ハイボール。
炭酸とちょっと強めのアルコールが、前菜の風味と相まって食欲を刺激してくれます。


続いては、開店当初からの人気を誇る、餃子をチョイス。
餃子は焼き餃子と水餃子の2種類。
台湾などで人気の水餃子がメインですが、日本人としては焼き餃子も捨てがたい魅力があります。


この店の餃子の特徴は、なんといっても餡(あん)。
日本の餃子のようにニンニクは使わず、肉とキャベツをたっぷりと使用、口に含んだ時にプチっと弾けるのは春雨。
さらに隠し味として、蒸し鶏を作る際にできたチキンエキスの茹で汁を使った煮こごりをたっぷりと練りこんでいます。

餃子に火を通すことで、餡と煮こごりから、じゅわっと肉汁が口の中いっぱいに溢れ、春雨にもしっかりと染み込んで、他にはないコク深い味わいを作り出しているのです。


さらに、この餃子を一層美味しくしてくれるのが“タレ”の存在。
餃子といえばラー油と酢醤油が定番ですが、社領ではそれに加え、特製のニンニク醤油に、蒸し上げた味噌を熟成させた味噌ダレなど、風味豊かな調味料がテーブルに並びます。

お客さんが自分の好みに合わせてこの調味料を合わせてオリジナルのタレを作り、自分好みの味わいに仕上げます。お気に入りの味を探す、この工程がなんとも楽しげ、口の中だけでなくテーブル上で交わされる会話までも賑やかなものにしてくれます。


「こちらもどうぞ」と社領さんにオススメいただいたのは、茹で豚。
低温でじっくりと火を通された豚の身には、旨味が凝縮されています。
たっぷりと盛り付けられた生姜と酢醤油ベースのタレで、あっさりといただける一品は、しっかり飲みたい時にも油の多い料理の箸休めにも最適。

もちろん、焼酎ハイボールとの相性も抜群です。


たっぷりとお料理をいただいた後に締めの一品を。
締めといえば、やっぱり麺類。お店一押しのジャージャー麺をいただきます。

濃厚な味噌ベースの餡は、餃子の餡がベース。
よくよく見れば中には春雨の姿も見えます。これも多数の料理を生み出し、スピーディに提供するためのお店の工夫。同じ食材を使いつつ、全く違う印象の料理に仕上げるその手腕に、社領さんの料理のセンスが伺えます。

飾らないその心意気が、仲間とのひとときを美味しくする


お腹もすっかりいっぱい。ほどよくお酒も回ってようやく周りを見渡す余裕ができました。ビニールのシートで覆われた店内は、ストーブの暖気と美味しい料理の香りが満ちていて、ゆったりと安らかな気分。
店外に目を向ければ、冬の冷たい空気が街を深閑(しんかん)と包んでいます。


冷たい冬の夜、暖かな屋台で美味しい料理とお酒、そして仲間との会話を楽しむのはなんと幸せなことでしょう。
プラスチックのテーブル、樹脂製の食器など、気取らないこの店の優しさがその幸せを一層身近なものとしてくれます。

皆さんも三宮へ訪れた際は、阪急電鉄の駅をちょっと北へふらりと足を伸ばしてみませんか?
台湾の街角へ訪れたような、熱気と口福が約束された、優しく暖かな店の光がきっとあなたを待っているはずですよ。


<取材協力>
餃子屋 社領
兵庫県神戸市中央区北長狭通2-3-4
営業時間18:00~22:00(L.O)
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日休)、第1火曜日


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