初心者でも安心して楽しめる「角打ち」の噺
2018,7,8 更新
「角打ち」とは
みなさんは、角打ち(かくうち)をご存知ですか?
お酒好きのなかでも、ちょっと年季の入ってきた人のなかには「行きつけの角打ちがある」なんて方も多いかもしれませんね。
角打ちとは、店内で買ったお酒をその場で飲める酒屋のこと。
缶酎ハイや日本酒を片手に、缶詰や柿ピーなどの簡単なつまみや店主の作るお惣菜で気楽に飲めるのは、角打ちならではのもの。
でも、「なんだかお店に入りづらい」「飲み方の作法があるのかも…」なんて、二の足を踏んでいる人もいるのではないでしょうか?
今回は角打ち入門者のためのお話。
大阪駅前の老舗酒店「ウエダ商店」をご紹介します。
お酒好きのなかでも、ちょっと年季の入ってきた人のなかには「行きつけの角打ちがある」なんて方も多いかもしれませんね。
角打ちとは、店内で買ったお酒をその場で飲める酒屋のこと。
缶酎ハイや日本酒を片手に、缶詰や柿ピーなどの簡単なつまみや店主の作るお惣菜で気楽に飲めるのは、角打ちならではのもの。
でも、「なんだかお店に入りづらい」「飲み方の作法があるのかも…」なんて、二の足を踏んでいる人もいるのではないでしょうか?
今回は角打ち入門者のためのお話。
大阪駅前の老舗酒店「ウエダ商店」をご紹介します。
作法その1:角打ちは、臆せず気軽に入るべし
大阪駅前第一ビルの1階にお店を構えるウエダ商店。
大阪駅ビルができた昭和44年以前から、この場所で酒屋を経営している老舗です。
お酒のケースが積み重なるお店の入り口は雑然とした印象があって入りづらい気もしますが、ここは居酒屋ではなくあくまで酒屋。
気持ちを楽にして、まずは足を踏み入れてみましょう。
大阪駅ビルができた昭和44年以前から、この場所で酒屋を経営している老舗です。
お酒のケースが積み重なるお店の入り口は雑然とした印象があって入りづらい気もしますが、ここは居酒屋ではなくあくまで酒屋。
気持ちを楽にして、まずは足を踏み入れてみましょう。
店内は、意外にも広く明るい印象。
「今では酒屋よりも立ち飲みがメインになってしまったけれど、まだ駅ビル内にはうちでお酒を買ってくれるお得意さんがいるんですよ」と話しながら、優しそうな笑顔で迎えてくれるのは店主で御年78歳の尾上陽子(おのうえようこ)さん。
「今では酒屋よりも立ち飲みがメインになってしまったけれど、まだ駅ビル内にはうちでお酒を買ってくれるお得意さんがいるんですよ」と話しながら、優しそうな笑顔で迎えてくれるのは店主で御年78歳の尾上陽子(おのうえようこ)さん。
お店を開いた先代から受け継ぎ、以来40年以上切り盛りする大ベテランです。
「本当にいろんなお客さまに支えられています。ビジネス街も近いので、サラリーマンの方も多いですが、最近は若い女性のお客さまもいらっしゃるんです。みなさん、よいお客さまで、私も毎日お店に立つのが楽しくて」
確かに、近年は女性のお酒好きからも人気の角打ち。
実は今回の取材にも、角打ち初体験でモデルの中井史弓(なかいあやみ)さんが同行してくれました。
「本当にいろんなお客さまに支えられています。ビジネス街も近いので、サラリーマンの方も多いですが、最近は若い女性のお客さまもいらっしゃるんです。みなさん、よいお客さまで、私も毎日お店に立つのが楽しくて」
確かに、近年は女性のお酒好きからも人気の角打ち。
実は今回の取材にも、角打ち初体験でモデルの中井史弓(なかいあやみ)さんが同行してくれました。
作法その2:お酒は自分で手に取るべし
角打ちでまずすべきなのは、お酒の確保。
店内にある冷蔵庫から、自分の飲みたいお酒を自分で選ぶのがセオリー。
酒屋で販売しているだけあって、ドリンクは居酒屋と比べるとお手頃。
併せて、おつまみに缶詰や乾き物など簡単に食べられるものが多いのも角打ちの気軽さの秘訣です。
ウエダ商店の場合はコトコトと煮込んだ名物おでんをはじめ、数々のお惣菜もあるので、今回はこれも合わせていただきます。
店内にある冷蔵庫から、自分の飲みたいお酒を自分で選ぶのがセオリー。
酒屋で販売しているだけあって、ドリンクは居酒屋と比べるとお手頃。
併せて、おつまみに缶詰や乾き物など簡単に食べられるものが多いのも角打ちの気軽さの秘訣です。
ウエダ商店の場合はコトコトと煮込んだ名物おでんをはじめ、数々のお惣菜もあるので、今回はこれも合わせていただきます。
作法その3: 会話を楽しむべし
お酒とおつまみを確保したら、いよいよ乾杯の時間です。
立ち飲みスタイルの角打ちは、店内のお客さん同士の距離が近いのも魅力。
友人同士が和気あいあいと話を弾ませたり、ときにはスーツ姿の上司と部下が親睦を深めたり、めいめいに楽しい時間を過ごしています。
自然と隣り合った者同士で会話が始まったり、店内のテレビのナイター中継を見ながら意気投合したりといった、初めて出会う人とのコミュニケーションが生まれることもしばしば。
もちろん、これも角打ちの醍醐味のひとつ。
そんな時は会話を楽しんでみるのも一興です。
ただし、お客さんのなかには自分の時間を大切にしながら静かに飲む人もいるので、無理に話しかけるのはNG。また、話が盛り上がりすぎてお酒を飲まずに話し込んでしまったり、大声を上げるといった行為も厳禁です。
ほどよい距離感を持って、心地よいお店の空間を共有するのが角打ちの鉄則です。
立ち飲みスタイルの角打ちは、店内のお客さん同士の距離が近いのも魅力。
友人同士が和気あいあいと話を弾ませたり、ときにはスーツ姿の上司と部下が親睦を深めたり、めいめいに楽しい時間を過ごしています。
自然と隣り合った者同士で会話が始まったり、店内のテレビのナイター中継を見ながら意気投合したりといった、初めて出会う人とのコミュニケーションが生まれることもしばしば。
もちろん、これも角打ちの醍醐味のひとつ。
そんな時は会話を楽しんでみるのも一興です。
ただし、お客さんのなかには自分の時間を大切にしながら静かに飲む人もいるので、無理に話しかけるのはNG。また、話が盛り上がりすぎてお酒を飲まずに話し込んでしまったり、大声を上げるといった行為も厳禁です。
ほどよい距離感を持って、心地よいお店の空間を共有するのが角打ちの鉄則です。
作法その4:長居は禁物、スマートに飲むべし
ウエダ商店の営業時間は15時30分から21時まで。
早い時間からお酒を飲めるからといっても長居は禁物。
1時間ほど軽く飲んで、さっと帰るのが粋な角打ちの作法です。
特にビジネスマンの仕事が終わる18時前後はお店が混み合うので、少しでも多くのお客さんがお店を楽しめるように、譲り合ってお店のスペースを作りましょう。
なお、ウエダ商店のカウンターではお客さんが全員カウンターに向かって半身になることで倍のスペースを作り出す、通称「ダークダックス飲み」というお作法もあるそうです。
早い時間からお酒を飲めるからといっても長居は禁物。
1時間ほど軽く飲んで、さっと帰るのが粋な角打ちの作法です。
特にビジネスマンの仕事が終わる18時前後はお店が混み合うので、少しでも多くのお客さんがお店を楽しめるように、譲り合ってお店のスペースを作りましょう。
なお、ウエダ商店のカウンターではお客さんが全員カウンターに向かって半身になることで倍のスペースを作り出す、通称「ダークダックス飲み」というお作法もあるそうです。
残していきたい“角打ち文化”
「なるべく手頃に、おいしいお酒と食事を楽しんでほしい。それだけなんですよ」と尾上さん。
なにより角打ち文化は、そんなやさしい店主と、誰もが楽しくお酒を飲めるように譲り合うお客さんの仁義によって成り立っています。
なにより角打ち文化は、そんなやさしい店主と、誰もが楽しくお酒を飲めるように譲り合うお客さんの仁義によって成り立っています。
今回の角打ちを体験して「女の子同士でも一緒に来てみたくなりました」とは中井さん。
楽しく飲める角打ちですが、残念なことに近年では角打ちを行っている酒屋さんは少しずつ減少しているそう。
こんな素敵な文化、なくすのは実に惜しい気がします。
まだ角打ちで飲んだことがないという方は一度、その独特の空気を味わいに行ってみてはいかがですか?
楽しく飲める角打ちですが、残念なことに近年では角打ちを行っている酒屋さんは少しずつ減少しているそう。
こんな素敵な文化、なくすのは実に惜しい気がします。
まだ角打ちで飲んだことがないという方は一度、その独特の空気を味わいに行ってみてはいかがですか?
<取材協力>
ウエダ商店
営業時間:15:30~21:00
所在地:大阪府大阪市北区梅田1-3-1 大阪駅前第1ビル 1F
営業時間:15:30~21:00
所在地:大阪府大阪市北区梅田1-3-1 大阪駅前第1ビル 1F