【兵庫・達人と巡る角打ち】神戸東灘・小田商店の噺
2023,4,14 更新
酒販店の片隅でさっとお酒をいただく「角打ち」。地元の人が愛する、地域の角打ち店の魅力を達人・芝田真督(しばた・まこと)さんと探索していくシリーズです。
コンビニエンスストアや大規模なスーパーがまだそれほど多くなかった時代、各家庭に調味料やお酒を届けていたのは近所の酒販店でした。今では見られなくなりましたが、30年ほど前までは台所に続く勝手口に、「酒屋さんの御用聞き」が来て、不足している醤油や味噌、お酒などの確認をしていたものです。こうした経緯から酒販店の多くは今も住宅街の中心部にあり、そのうちのいくつかは地域の大人たちが集まる貴重なコミュニティの場となっています。
今回訪れた小田商店もそんな地域に愛される集いの場となっている角打ちのひとつ。
ただし、集う人々はちょっとだけ他の地域と変わっているようです。
住宅街の中にある昔ながらの角打ち
ラックとショーケースに囲まれた店内には、6人ほどが座れるテーブルと、奥にはバックヤードを改装したこちらも6人ほどで利用できる通称『VIP』ルームと呼ばれる飲食スペースが用意されています。
このコンパクトで落ち着くスペースと住宅街の中にある立地から、平日には地域の方々や近隣の企業にお勤めの方、休日には地域の野球チームの監督やコーチなどが集まって、お酒を片手にワイワイと話に花を咲かせています。
小田商店のもうひとつの顔、“だんじり”交流コミュニティ
※山車、山鉾、屋台、神輿(みこし)などを装飾するもの
お酒がすすむ懐かしいおつまみ
「ちょっと待ってね」と声をかけてショーケースから小田さんがめざしとフランクフルトを取り出して網でこんがりと焼いてくれました。
脂たっぷりのハムステーキはそのままいただいてもおいしいのですが、ウスターソースをかけてもおいしくいただけます。どこか懐かしい、濃厚な油とソースを、“タカラcanチューハイ”の爽快な刺激がさっぱりと洗い流して、次々と箸が進んでしまいます。
いつまでもあってほしい、地域住民の集いの場として
「最近では、20代の女性の方もいらっしゃるようになってきましたね。女性のおひとり様も大歓迎です。うちは皆さん、お酒の飲み方もきれいですから、安心してくださいね。お酒のこと、食事のこと、だんじりについても質問していただければ、私も常連のみなさんもうれしいです」。
だんじりの記念品やポスターなどに混じって、小学生が社会科見学に来た際のお礼の手紙が並ぶ小田商店。酒を売るだけではない、決してコンビニやスーパーでは代替できない価値を持っているのだなと実感できます。みなさんも、忘れかけていた地域のつながり、人の温かさを感じたい時は、甲南山手の駅からのんびりと散歩がてら、こちらのお店を訪ねてみませんか?
<取材協力>
兵庫県神戸市東灘区本山中町2丁目5-27
TEL 078-431-0897
営業時間11:00~23:00
定休日 日曜
(取材日:2023年3月15日)
▽記事で紹介したお酒はこちら
・タカラcanチューハイ<レモン>
・タカラ「焼酎ハイボール」<レモン>
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