親子の絆がつくる、都会の角打ちの噺
2019,4,12 更新
大阪の玄関口、JR大阪駅から歩いて5分ほど。夜ともなれば、多くのビジネスマンで賑わう曽根崎地域の一角にあるのが、曽根崎松浦商店。ビジネス街の近くとしては珍しく、角打ちでお酒とアテを楽しめるお店です。しかし、なぜこんな所に?また、ビジネス街の角打ちに訪れるのはどのような人々なのでしょうか。「角打ちを訪れるのは初めて!」というモデルのアサヒさんが、お店にお邪魔しました。
ビジネス街のオアシス、曽根崎松浦商店
からからと引き戸を開けて店の中を覗くと、こじんまりとした角打ちスペースの奥で、にこやかな笑顔の店主が迎えてくれます。店主のお名前は松浦知弘(まつうら・ともひろ)さん。曽根崎松浦商店の二代目です。
角打ちというと、どちらかというと下町の酒屋の一角といったイメージがあるもの。曽根崎松浦商店のある曽根崎地域は、大阪屈指のビジネス街。なぜこの立地で角打ちを始めたのでしょうか。
つまり松浦さんは、昼間は大阪市各地の開店前の飲食店を駆け巡り、夜になれば角打ちの支配人に転身するというわけ。店舗がビジネス街のど真ん中にあるのも、歓楽街の一角であれば配達にも便利という理由があったのです。
親子2代でつくる、あったかい角打ち
松浦さん親子が揃うと、常連さんたちの会話も一層和やかなものとなり、和気あいあいとした雰囲気の中、どこからともなく乾杯の発声が聞こえてきます。
この距離、この街、このお客さんが店をつくる
酒販店直売とあって1杯300円〜というリーズナブルな値段が魅力です。冷やはもちろん、「10秒温めて」と注文すれば、店の電子レンジでさっと温めてくれるこの気配り。これも店主との距離が近いこの店の魅力のひとつ。
「うちは日本酒好きの方が多いですね。常時6種類くらいの日本酒を用意しているんですが、お客さんからのリクエストも多い。新しく入れるには今あるお酒を飲み切らなきゃならない。そんな時は“よっしゃ、開けるぞ”なんて声がかかって、店中みんなでその日のうちに飲み切ってしまうなんてこともあるんです。この一体感が、すごく好きですね。もちろん日本酒以外のリクエストもあります。例えば…」と、松浦さんが取り出したのはタカラ「焼酎ハイボール」。
「これもお客さんに人気ですね、暑い時なんか本当によく出ます、最初の一杯はこれ、なんて決めている方もいますよ。」
さらに続けて松浦さんは、「この店はお客さんとつくっている感じですね。ビジネス街にあるんですが、ビジネスマン以外にもいろんな方が来てくださって、いつの間にかお客さん同士が仲良くなっているなんてことも当たり前。それに、僕は今までお客さんを“出禁”にしたことがないんです。お客さん同士で気の合う人、一緒にいて心地いい人を選んでくれるんでしょうね。日がたつほどに、いいお客さんばかりになっていくんですよ。お客さんが楽しんでいるのを見るのは僕も本当に嬉しいですし、これからもこの小さな店の、小さな距離を大切にしていきたいですね」(松浦さん)と笑顔で話してくれました。
角打ちデビューの感想は??
「初めて飲みます」と手にしたのは、先ほども登場したタカラ「焼酎ハイボール」。
「美味しい!今までちょっとアルコールが強いかと思っていてなかなか手が出なかったんですが、すっきりしてますね。これなら手軽に家でも飲めそう!」と気に入った様子。
角打ちも初めてという彼女に、曽根崎松浦商店の印象を伺ってみました。
「気軽に立ち寄れるし、店内は禁煙なので入りやすくて安心です。なにより常連の皆さんも本当に気さくで心地いいです。さっと飲んで出るのには最適。飲み会前の0次会にもいいかもしれません。女性のお客さんも多いんでしょうかね?」(アサヒさん)
ビジネス街の真ん中にある、曽根崎松浦商店。
お仕事帰りに、お出かけの際にちょっと立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
そこにはいつも笑顔の店主親子と、気のいい常連さんがつくる素敵で、狭くて優しくあたたかい空間が広がっているはずですよ。
曽根崎松浦商店
営業時間:17:30~21:00
定休日:土曜・日曜・祝日
住所:大阪市北区曽根崎2-10-28
※取材データは2019年3月時点
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