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【TRANSIT×酒噺】 旅の“宝噺”<ポルトガル編>

【TRANSIT×酒噺】 旅の“宝噺”<ポルトガル編>

2019,3,1 更新

トラベルカルチャー雑誌「TRANSIT(トランジット)」では、毎号特集した国や地域の旅の思い出を編集部と制作に携わった取材クルーが語りあう「旅の宝話」という企画を連載しています。「酒噺」では、「TRANSIT」とのコラボ企画として不定期に、その内容を「旅の“宝噺”」としてご紹介します。今回はTRANSIT40号で掲載されたポルトガル編。ポルトガルの魅力を一言で語るのは難しいけれど、旅に出れば、その都度新たな発見がある。ポルトガル歴15年以上のライター、岡田カーヤさんをゲストに迎え、旅のお土産話を肴に乾杯!

■取材クルー プロフィール

岡田カーヤ(おかだ・かーや)(ライター)
ライター、編集者、たまに音楽家。旅と日常の間で、人の営み、土地に根ざした食や音楽の記事を執筆。各国のお酒とスープを飲み歩くのが好きで、『ソパさえあれば』を上梓。TRANSIT40号ポルトガル特集では、アレンテージョ地方の取材を担当。

ポルトガルの旅の“宝噺”

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編集部(以下T):15年以上ポルトガルに通っているそうですが、そもそも興味をもったきっかけを教えてください。

岡田(以下O):2002年頃、スペイン〜モロッコを旅した“ついで”に、寄ったのがポルトガル。でも、期待したよりかなりよくて。ポルトガル人の詩人・作家のペソアやサラマーゴにも興味があったし、老後に住んでみたいなと思った。あとは、植民地だったアフリカの島、カーボ・ヴェルデの音楽が好きで、ずっと行きたいと思ってたんです。リスボンからなら行けるかも!? そういうあこがれもあって、2005年から2006年にかけてリスボン大学に留学しました。

T:なんと、留学されてたんですね。どんな暮らしをしてたんですか?

O:もともと移民の音楽が好きで、現地で出会ったイタリア人やアンゴラ人、ブラジル人などが所属する多国籍バンドに入れてもらって、音楽をやってましたね。楽しかったなぁ。

T: あこがれのポルトガルが少し身近な存在になって、最近はどんなことに興味をもっていますか?

O: 食の豊かさに気づいて、ポルトガルのスープ、「ソパ」を毎日食べる旅とかしています。そうなると地方の食文化のほうがおもしろい。留学時代はリスボンが好きすぎて旅行しなかったけれど、今は田舎へ行くことが多いですね。

T:今回の旅で記憶に残っている食事は?

O:ピアスという町で通ったレストランが最高だった。何を食べても美味しい。とくにドハマりしたのが「豚足のコリアンダー煮込み」。お酒がすすむんです!
【豚足のコリアンダー煮込み】

【豚足のコリアンダー煮込み】


T:田舎の飲食店だと、正直当たりハズレもありそう……。

O:料理も伝統的すぎると重たいところがあるから、雰囲気と量をみながらですね。おっさんが気軽に集っている店は、家庭料理の延長のような食事を出してくれるのでおすすめです。

T:最後に、今回改めて感じたポルトガルの素晴らしさってなんでしょうか。
【セルパの定食屋。生ハムも美味しい】

【セルパの定食屋。生ハムも美味しい】

O:やはり田舎町ですね。今回拠点としていたセルパという町はチーズが本当に美味しい。ガイドブックにはまったく登場しないけれど、ご飯に景色、あとはやはり人も素晴らしいですね。ヴィラ・ヴェルデ・デ・フィカーリョという町には、レストランとバーを併設した住民組織でやっている集会所があるのですが、みんなご飯をごちそうしてくれるんです。合唱そのものが分かち合いだからそれが当たり前のことなのでしょう。リスボンに帰る前日の夜、最後に寄るつもりだと連絡をすると、翌日お昼を用意して待っていてくれました。合唱団のメンバーも集ってくれてうれしかったです。
【住民組織で運営しているレストラン】

【住民組織で運営しているレストラン】

【国民食の干しダラを使ったコロッケや、燻製のイべリコ豚...

【国民食の干しダラを使ったコロッケや、燻製のイべリコ豚の生ハムなど、塩気の効いたポルトガル料理】

TRANSITとは?

世界のさまざまな風景や歴史、ファッション、食、音楽などの文化を、“旅”というフィルターを通して紹介する、大人のためのトラベル・カルチャー・マガジン。美しいビジュアルと土地の空気感をとらえた文章により新たな視点の旅を提案しています。

URL:http://www.transit.ne.jp/

■クレジット

TRANSIT編集部=文 岡田カーヤ=写真
(雑誌に掲載されている文章と一部異なる部分があります。)
   

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