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糖質と糖類の違いは? 糖質オフで楽しむ料理とお酒の噺

糖質と糖類の違いは? 糖質オフで楽しむ料理とお酒の噺

巷でよく見聞きする「糖質ゼロ」や「糖質オフ」、「糖類ゼロ」などという表記。 なんとなく健康やダイエットに良さそうな印象は持っているものの、糖質や糖類がどのようなものか、またその違いがわかっている…という方は少ないのでは? 今回は、お酒を愛する酒噺読者に糖質と糖類の違いや、健康で美味しい料理と一緒にお酒を楽しむ噺をご紹介します。

最近、スーパーやコンビニで目にすることが多い「糖質オフ」や「糖類ゼロ」と銘打った商品。
特に近年では糖質オフダイエットなども流行しており、「ちょっとお腹周りが気になり始めて…」とお悩みの方は、そんな商品をつい手に取ってしまうのではないでしょうか。しかし、実際には糖質や糖類がどのようなもので、またどのように作用するのかをよく知っているという方は意外と少ないものです。
そこで今回はお酒好きな方が、上手に、そして健康的に糖質や糖類と付き合っていくための工夫や、糖質を抑えて美味しくお酒を楽しめるメニューを、栄養学の専門家に伺いました。

専門家に聞く!糖質&糖類の基礎知識

今回私たちが訪れたのは、京都で、栄養や調理・製菓、ホテル・ブライダル・旅行など、各分野の職業教育を実施し、専門知識と技能やホスピタリティマインドと人間力を兼ね備えたスペシャリストを養成する学校法人大和学園。
この法人が運営する料理教室「ラ・キャリエール クッキングスクール」で、講師の北村真澄(きたむら・ますみ)先生と白井円香(しらい・まどか)先生にお話を伺いました。

北村先生は大学で栄養士としての資格を取得後、大和学園において19年間、学生の調理実習などで教鞭を執られており、白井先生も大学で栄養士の資格を取得後、食品メーカーや保育園などで実績を重ね、大和学園で学生や一般の方に向けた調理指導を行っています。
今回はお二人のスペシャリストに「糖質と糖類について」、また「糖質と上手に付き合っていく方法」を伺いました。

まず糖質と糖類について教えてくださったのは白井先生。

「簡単にいうと、糖質は炭水化物と呼ばれる栄養素のひとつで、糖類は糖質の一部です。炭水化物は糖質と食物繊維からなり、糖質が分解されてできる単糖類(ブドウ糖や果糖など)や二糖類(ショ糖や麦芽糖など)が糖類と呼ばれます」。

「つまり、“糖質・糖類ゼロ”や“糖質・糖類オフ”という商品は、糖質や糖類そのものが少ない商品です。“糖質・糖類ゼロ”の商品は完全に糖質ゼロとは限らず(※)、“糖質・糖類オフ”の商品は比較対象商品に比べて糖質、または糖類の量が少ないという意味になります。また“糖類オフ”に関しては、低減される割合の基準値が定められています。なお、商品の中で甘みを感じるのに糖質オフやゼロ、低カロリーと表記してある時は、風味をよくするために天然甘味料や人工甘味料が使われている場合があります。“糖質ゼロ”や“糖類ゼロ”、“糖質オフ”や“糖類オフ”の商品を選ぶ際には、商品の栄養成分表示や商品のパッケージなどを確認してみると良いでしょう。

私たちの体は、糖質を糖類のひとつであるブドウ糖に分解し、これをエネルギー源としています。
糖質や糖類は私たちが動いたり考えたりするために欠かせない栄養素ですが、摂りすぎてしまうと血糖値が急激に上がったり、エネルギーとして使いきれなくなったブドウ糖が、中性脂肪として蓄積されてしまうなどの悪影響が出ます。糖質を摂りすぎると太りやすくなり、その結果、高血圧や糖尿病などの生活習慣病のリスクを高めてしまいます。
近年、糖質ゼロなどを訴求した商品が人気を博しているのは、私たちが日常生活の中で必要以上に糖質を摂りすぎてしまうという状況があるからだと思います。
糖質はご飯やパンなどに加え、イモ類や豆類、果物や根菜類にも含まれており、私たちが必要とする量は食事で十分摂れているのに加え、お酒やお菓子などの嗜好品を摂取することで糖質を摂りすぎてしまうのです」。
※食品表示基準に基づき、100ml当たり糖質0.5g未満を糖質ゼロと表示

お酒好きのための上手な糖質との付き合い方

では、お酒好きな私たちが糖質を摂りすぎないようにするためには、どのようにしたらいいのでしょうか。
今度は北村先生にお話を伺います。

「お酒にも糖質が含まれるものとそうでないものがあります。一般的に、糖質が含まれるものは、ビールやワイン、梅酒、日本酒など『醸造酒』と呼ばれるもの。糖質が含まれないのは、焼酎やウィスキー、ウォッカやラム・テキーラなどの『蒸留酒』と呼ばれるものです。糖質を抑えようと思ったら、蒸留酒を選ぶと良いかもしれませんね。また、お酒を割って飲む際には、割材などにも注意が必要です。ジュースなどには糖が含まれているので、無糖の炭酸やお茶などを選ぶといいでしょう」。

「お酒にはおつまみがつきものですが、糖質を効果的に抑えるのであればおつまみも工夫してみましょう。おつまみを選ぶ際のポイントは、ご飯やパン、イモ類、豆類、果実などはできるだけ選ばないこと。できればお肉やお魚などのタンパク質が豊富なものがいいですね。ただし、こうした素材でもちくわやソーセージといった加工品になると、砂糖などが使われていることがあるため注意が必要です。
さらに、調理法に関しても砂糖を使って煮付けたもの、ケチャップやソースを使ったものは糖質があるので避けましょう。糖質が少ない調理方法は、焼いたり、茹でたり、蒸したりといった素材そのものを生かす方法です。さらに糖質の少ない調味料である塩、味噌、醤油などを用いたものであれば言うことなしです。魚の塩焼きや塩味の焼鳥、お刺身などは糖質オフのおつまみとして最適ですね」(北村先生)。

栄養士が教える、美味しい糖質オフおつまみレシピ

糖質・糖類の基本と、糖質が含まれないお酒の種類とおつまみの選び方を伺ったところで、ラ・キャリエール クッキングスクールのキッチンを使って、北村先生と白井先生に糖質を抑えたおつまみを作っていただきました。
今回は特別に、そのレシピも教えていただきましたので、皆さんもおうちでぜひ挑戦してみてください。


春雨がわりの糸こんにゃくで、糖質大幅カット!「野菜たっぷりこんにゃくチャプチェ」

糖質量(1人前):9.7g (参考…一般的なチャプチェの糖質量:40.1g)
韓国料理で人気のお惣菜・チャプチェ。通常は春雨を使うのですが、春雨はでんぷん質のため糖質が高いのが難点。ですが、糸こんにゃくを使えば糖質を抑えてヘルシーに!
下味をしっかりとつけているので、満足度も抜群。野菜の食感と糸こんにゃくのつるりとした歯ごたえがたまりません。
しっかりとした味付けのチャプチェに合わせるなら、「蒸留酒」である全量芋焼酎「一刻者」。
芋本来の甘い香りとコクが、ごま油と好相性。焼酎が口の中をすっきりとさせてくれるので、いくらでも食べられてしまいそう。
*野菜たっぷりこんにゃくチャプチェ*
■材料(2人分)
太もやし:50g
キャベツ:50g
椎茸:3枚
ピーマン:2個
法蓮草:1/4束
卵:1個
鶏胸肉:1/4枚
糸コンニャク:250g

<材料A>
砂糖:小さじ1
濃口醤油:大さじ1/2
酢:大さじ1/2

<材料B>
ニンニク(すりおろし):小さじ1/2
砂糖:大さじ1/2
タカラ「料理のための清酒」<糖質ゼロ>:大さじ1・1/2
濃口醤油:大さじ1
塩:少々
コショウ:少々
白ごま:小さじ1/2
ごま油:少々

■作り方
① 糸コンニャクは適当な長さに切り、熱湯で約5分茹でてザルで水気を切り、熱いうちに材料Aを絡める。
②  キャベツはざく切りにする。椎茸は薄切りにする。ピーマンは細切りにする。法蓮草は3㎝の幅に切る。
③ ボウルに卵を割りほぐす。
④ 鶏胸肉はそぎ切りにする。
⑤ ボウルに材料Bを合わせる。
⑥ フライパンにごま油を熱し、③を入れていり卵を作り取り出す。
⑦ ⑥のフライパンにごま油を熱し、④・②・太もやしを入れて炒める。
⑧ ⑦に①・⑤・⑥を加えて絡め、器に盛りつける。

魚介の旨味たっぷりスープがお酒にぴったり!「サーモンのアクアパッツア」

糖質量(1人前):1.7g (参考…一般的なアクアパッツアの糖質量:3.3g)
出汁や素材の旨みを引き出したスープは、お酒のおつまみとして好適。特に魚介類の旨みいっぱいのアクアパッツアは、具材とスープの両方をゆっくりと楽しみながらお酒が飲める良いおつまみです。
通常は白ワインを使いますが、今回は糖質を意識してタカラ「料理のための清酒」<糖質ゼロ>(※)を使用。糖質を抑えながら、日本酒由来の旨みを加えた和洋折衷のお料理が完成しました。
濃厚な旨みがありながらも澄んだ味わいのアクアパッツアに合わせるなら、同じくクリアな味わいでキリリと炭酸が効いた、糖質ゼロ(※)のタカラ「焼酎ハイボール」<ドライ>、アルコール分5%の<前割りレモン>がおススメです。
※食品表示基準に基づき、100ml当たり糖質0.5g未満を糖質ゼロと表示

*サーモンのアクアパッツア*
■材料(2人分)
ブロッコリー:1/3個
シメジ:1パック
黒オリーブ:4個
サーモン:2切れ
アサリ:150g
パセリ(乾燥):少々
タカラ「料理のための清酒」<糖質ゼロ>:大さじ2
水:300ml
塩:少々
コショウ:少々
オリーブオイル:少々

■作り方
① ブロッコリーは小房に分ける。
② シメジは石突きを取り除き、手でほぐす。
③ 黒オリーブは輪切りにする。
④ アサリは砂抜きをして洗う。
⑤ サーモンは塩・コショウをする。
⑥ フライパンにオリーブオイルを熱し、⑤の皮のみ焼いて、①・②・③・④・酒・水を加えて沸騰させる。
⑦ ⑥の火が通れば、パセリを加え、塩・コショウで味を調えて器に盛りつける。

糖質のある皮をキャベツに変えてヘルシー&食感UP!「キャベツ焼売」

糖質量(1人前):6.1g (参考…一般的な焼売の糖質量:14.5g)
鶏肉のムネやささみは糖質だけでなく脂肪分も少ないため、ヘルシーな晩酌にもってこいの素材。通常は小麦粉で作られる皮をキャベツで代用することで、糖質をさらにカットできる嬉しいレシピを教えていただきました。柔らかくほのかに歯ごたえと甘みを感じられるキャベツの奥から感じる鶏肉の強い旨み。鶏とキャベツがそれぞれを引き立てあう、美味しい組み合わせです。
ヘルシーな点心メニューのお供には、極上<宝焼酎>の緑茶割り。
鶏肉の脂を緑茶のほろ苦い味わいが包み込んで、爽快な後口に変えてくれます。

*キャベツ焼売*
■材料(2人分)
鶏ミンチ肉:180g
白葱:40g
キャベツ:130g
塩:少々


<材料A>
濃口醬油:大さじ1/2
タカラ「料理のための清酒」<糖質ゼロ>:小さじ1
片栗粉:大さじ1/2
鶏ガラスープの素:ひとつまみ
塩:少々
コショウ:少々

<タレ>
濃口醬油:大さじ1/2
酢:大さじ1/2
辛子、柚子胡椒:お好みで

■作り方
① キャベツは細切りにする。
② ボウルに①を入れ、全体的に塩を振ってしばらく置き、しんなりとしたら水気を絞る。
③ 白葱はみじん切りにする。
④ ボウルに鶏ミンチ肉・③・材料Aを入れてよく混ぜ合わせる。
⑤ ④を6等分に丸める。
⑥ ⑤に②を表面につける。(6個分全て)
⑦ 薄く油をぬった蒸し器に⑥を入れ、強火で約12分蒸し、器に盛りつけて、タレを添えて仕上げる。

糖質制限も大事、でも本当に大切なのはバランスの良い食生活

北村先生、白井先生のおふたりに糖質オフのレシピを教えていただいたのですが、毎日自宅で糖質制限のお料理を作るのはなかなか手間がかかるもの。そこで、スーパーやコンビニで買えるおつまみの中で、糖質を抑えるのに役立つものを伺いました。

「おでんなどはいい選択ですね。こんにゃく、糸こん(しらたき)、牛すじ、大根、卵、昆布、がんもどきなどは糖質が少ないのでオススメです。ただし、ジャガイモやちくわや平天(さつま揚)などの練り物、餅巾着などは糖質が多いので控えたほうがいいかもしれませんね」
「オススメはサラダチキン。素材の味を生かした調理法で糖質も少なく、満足感もありますからおつまみにもぴったりなのではないでしょうか」(北村先生)。

普段使いのスーパーやコンビニでも、糖質を抑えた商品を選ぶことはそれほど難しいことではないようです。ただし、糖質を全く摂らないというのも実は体に悪影響があるのだとか。
北村先生は最後に、こう話してくださいました。

「糖質は身体や脳を動かすのに欠かせないエネルギーです。全く摂らないと筋力の低下やストレスなどの形で体に悪影響を及ぼしてしまいますから、糖質を全く摂らない生活は控えてください。
また糖質を避けるあまり脂質の高い食物などを食べ過ぎるのも、肥満や生活習慣病の原因となります。糖質を控える生活は健康的ですが、本当に大切なのはバランスの良い食生活。お酒の飲み過ぎには注意しつつ、お酒を飲む際には一緒にいただくおつまみなど、普段の食生活にも気をつけてくださいね」。

食欲の秋を迎えて、「最近ちょっとご飯や麺類の食べ過ぎで、糖質を摂り過ぎてしまっているかも・・・」という皆さんは、食生活を見直すと共に、いつもの晩酌で糖質を意識してお酒を選んでみてはいかがでしょうか?



<取材協力>
学校法人 大和学園
ラ・キャリエール クッキングスクール
https://www.taiwa.ac.jp/
https://www.taiwa.ac.jp/lacarriere/