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こだわりのお店で味わいたい、生搾り酎ハイの噺

こだわりのお店で味わいたい、生搾り酎ハイの噺

2018,6,22 更新

生の果実を搾り、酎ハイに入れて楽しむ“生搾り酎ハイ”。
果実によっていろいろな味わいを楽しむことができる居酒屋の定番メニューです。
自宅の晩酌でも、焼酎にレモンやライムなどの果物をグラスに搾り入れ楽しんでいるという人も多いのではないでしょうか。
ただ手軽に作れるとはいえ、家でいろいろな果実を試すのは難しいもの。
そんなときは、夜の街へ出かけてプロが作る一杯を堪能してみませんか?
今回は、大阪・北新地の一角にある「蜆楽檸檬(けんらくれもん)」へ訪問。
果実選びから搾り方まで、全てにこだわった生搾り酎ハイの話です。

立ち飲みで、気軽にひとりでも

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大阪市北区の北新地は、東京・銀座と並ぶ関西の一大歓楽街。
ネオンきらめくこの街を歩いていると、赤い提灯が連なるレトロな路地が目に入ります。この「蜆楽通り」のなかにあるのが、今回ご紹介する「蜆楽檸檬」。
4間ほどのコンパクトな立ち飲みスタイルのお店で、注文したその場で果実を搾り器に入れ、生の果汁で酎ハイを作ってくれます。

店主の植岡慶(けい)さんは、フランス料理店で腕を磨いた異色の経歴の持ち主。
あるとき、百貨店の地下で生搾りの100%レモンジュースを飲み、その味に衝撃を受けます。
「果実だけでこれだけ美味いのだから、これにお酒をプラスしたら…」
早速、果実用の搾り器を入手し、これでお酒を割ってみたところ想像以上のおいしさに。さらにお酒の種類もジン、ウォッカ、焼酎など研究を重ね、すっきりとした甲類焼酎を使った酎ハイに行き着きました。

「このおいしい酒を、みんなに広めたい!」
そんな想いから、植岡さんは生搾り酎ハイ専門店を立ち上げることを決意。そして、2011年11月3日の文化の日、「世界に生搾り酎ハイの文化を広げよう!」という野心のもと蜆楽檸檬は北新地でオープンしました。

搾り器だからこそ引き立つ果実のおいしさ

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蜆楽檸檬のシンボルでもある搾り器。
果実を搾るだけなら、手やシトラスジューサーでも事足りるように思うものの、植岡さんはあくまでこの搾り器にこだわります。
「やはり味が違います。一言で搾るといっても、果実の種類によってどこまで搾ってよいかという加減は全く違うんです。少しでも搾りすぎると、苦みや雑味が出るものもありますし、十分搾らないとおいしくない果物もあります。このフレッシュジューサーはその塩梅を上手に計れるんです」
確かにレモンやオレンジといった一般的な果実を使った酎ハイでも、やはり家で作るものとは大違い。果実をそのまま口に入れたような鮮烈さ。それでいて、皮の苦みや渋みなどを全く感じさせない、クリアな味わい。そして爽やかさのなかから、柔らかく爽快なアルコールが立ち上がります。
搾り方ひとつで、ここまで味が違うものかと驚かされます。

全国津々浦々、旬を求めて

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搾り器ともうひとつ、この店の酎ハイのおいしさを語る上で欠かせないのは、果実そのもの。
なんと店で使う果実の多くは、植岡さん自らが北海道から沖縄まで、全国各地の農家さんと直接顔を合わせ、選び、買い付けたものなのです。
「皮ごと絞るものですから、国産・無農薬のものを選んでいます。直接会って話をした方の果物のほうが安心できますしね」と植岡さん。
たかが果実、たかが酎ハイとあなどれない情熱がこもっているからこその味なのです。

心を掴むこだわりの酎ハイを飲みに行きませんか?

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「初めてのお客さんにおすすめしたいのは、スーパーレモンですね。通常の倍の量のレモンが入っています」と植岡さん。
さらにこの店の味に馴染んできた方におすすめなのが、2種類の果実を選んでお好みの酎ハイを作る“ミックス”。店内にはおすすめのミックスのレシピが並んでいますが、もちろん自分で2種類を選ぶことも可能です。

酎ハイというと、「女性向けの飲み物」という印象を持つ人がいるのも事実。しかし、北新地にある蜆楽檸檬には若い女性だけでなく、40〜50代の男性常連も足繁く通っています。
それは、紛れもなく植岡さんの「酎ハイ文化を広めたい」という気持ちが、年齢性別を越えて多くの人の気持ちを掴んでいる証拠。
旬の果実に、職人芸とも言える搾りの技を加えた蜆楽檸檬の酎ハイは、あなたの酎ハイに対する常識を覆してくれるはず。
仕事帰りに、休みの日に、あなたも北新地の路地へふらりと出かけてみませんか?

<取材協力>

蜆楽檸檬(けんらくれもん)
営業時間:17:30~
所在地:大阪市北区曽根崎新地1-6-24
Facebook:https://www.facebook.com/3149an/
※取材データは2018年5月時のものです
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