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使い続けたくなる、こだわりの酒器・器と出会う噺

使い続けたくなる、こだわりの酒器・器と出会う噺

2022,6,10 更新

みなさんは、家で食事やお酒を楽しむときに、どのような食器や酒器を使っていますか?
懐石料理やお茶の席では「器は料理の着物」と言われ、料理の色彩や、茶室の雰囲気に合わせて器が選ばれます。器を変えることで、料理やお茶を味わう雰囲気は変わるもの。それは、お酒でも同じではないでしょうか。今回の酒噺は上質で、しかも気軽に楽しめる酒器を探すお噺です。

日本中の作家の「手仕事」と出会う店

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今回訪れたのは大阪市中央区本町、オフィスや飲食店が立ち並ぶ一角にある食器店「うつわ屋 Meetdish」です。店舗の外から覗いただけでもわかる、色とりどりの器の数々。中に入れば、器がどれも少しずつ形や絵付けが違うものだと気づきます。
「作家が作る器の魅力には、手仕事ならではの“ゆるさ”がありますよね」と語ってくれるのは、店主の磯部幸太郎さん。
 
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「うつわ屋 Meetdish」が誕生したのは、2006年。ご実家も、ギャラリーを兼ねた器の店であったという磯部さんは大学卒業後、会社員を経て家業を手伝った後にこの店をオープン。

「私の実家も日常使いの出来る作家ものの器を扱う店を営んでいましたが、ベテランの作り手の器を主に扱っていて若手作家の扱いが少なかったのと、自分と同世代の作り手を軸とした器を扱いたい一心でこの店を立ち上げました。もちろん、知名度の少ない若手作家やキャリアの短い作り手の作品をより知ってもらえたらというのも立ち上げの理由の一つです。」と話してくださいました。
 

日本各地に足を運んで作家と出会い、話してつながり合う

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取材当日にも磯部さんが出会った作家(カトラリー作家 永島義教さん)が挨拶に​
「うつわ屋 Meetdish」では、100名近い作家の作品を販売しています。器を扱うにあたり、磯部さんは作家に会うため日本各地へ足を運んだといいます。

「作家を見つけるのは、各地域で開催されている陶器市やクラフトフェアを回ったり、同業の食器店から紹介していただいたり、最近では作家のSNSを見たりとさまざまですが、やはり大事なのは会いに行くこと。直接会って話し、工房を見せてもらうことでその作家さんが、どれくらいの熱意を持って仕事をしているかがわかります。趣味ではなく、本腰を入れて食器作りに取り組んでいる方は熱量が違いますし、そうした方からは個性的な、素晴らしい器が生まれてきます。これは、作家として生業を立てていくためにも重要なことですし、私が店で作家さんの作品を紹介し続けていくためにも大切なことなんです」。
 

お酒にぴったりの「作家のうつわ」をチョイス

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ぐるりと店の中を見回して、「お酒に合う器、見てみますか?」と磯部さん。
ご好意に甘えて、日本酒や焼酎・チューハイなどに合う器をお薦めしていただきました。
 

生酒には、見た目も涼やかなグラスを

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左:透間台型グラスM 7,700円(税込)  右:透間グラスM 7,700円(税込)
まずは日本酒。選んでいただいたのは森康一朗さん作のグラス。
「これから暑くなってくると、常温や冷やした日本酒が美味しくなりますから、やはり涼やかなグラスがいいですね。この作家さんは、色の違うガラスの棒を巧みに組み合わせて、グラスのストライプを生み出すんです。ゆるやかに溶け込むように変わる色の切り替えは、グラスそれぞれに個性があり、それも魅力のひとつですね」。
 

本格焼酎には、素朴で無骨なカップを

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鉄釉白泥彩面取cup 5,500円(税込)
続いては「本格焼酎に合わせるものを」とお願いしました。
おすすめいただいたのは、山本哲也さんの黒い釉薬(ゆうやく:陶磁器表面に付着したガラスの層)を使用したカップ。
「カップの外と内の対比も綺麗ですし、何よりこの角張った素朴で無骨な味わいが焼酎のカップらしいですね。私も使用しているおすすめの作品です」。
 

手軽なチューハイには、気配りや感性の垣間見えるグラスを

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ビヤグラス 4,400円(税込)
炭酸の泡がはじけるチューハイには、やはりグラスの器が最適なのですが、形状によっても味わいは大きく変わってきます。選んでいただいたのは、森知恵子さん作のグラス。
「この方の魅力はその形。女性の手にすっぽりと収まる大きさで、薄めで持ちやすく、グラスの縁が一度すぼまってから開いているので、香りが広がりやすいんです。」
氷を入れて注いでも、この大きさであればさほど時間をかけずに飲めるので、氷で炭酸が弱まることなく、新鮮な刺激と香りを楽しみながら、チューハイを楽しめそうです。
 

スパークリングの日本酒には、小ぶりのグラスを

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種の杯 小 4,950円(税込)
香りと炭酸を楽しむスパークリングの日本酒に、磯部さんが選んでくれたのはチューハイ同様やはりガラスの酒器ですが、形状は前述のものとはやや異なる松岡ようじさんの作品。
「ちょっと厚めのグラスは唇への当たりも柔らかいのがいいですね。重心が下にあるので倒れにくく、お酒を楽しむのにも向いている作品です」。
このサイズであれば、ゆっくり飲んでも炭酸が抜ける前に飲めますし、香りも十分に楽しめます。
 

せっかくならお酒と合わせる料理の器もこだわりたいもの

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zemmaiディナースプーン 5,940円(税込) / zemmaiディナーナイフ 6,050円(税込) / ステンレスプレートM 5,940円(税込)
お酒を楽しむ上で欠かせないのはおいしい料理。せっかくうつわ屋さんへきたのですから、食器も提案していただきました。

選んでいただいたのは、先ほど来店されていた永島義教さんの、ちょっと無骨で、焼き色の入ったカトラリーとお皿。生ハムやオリーブなどちょっとした、おつまみを入れて楽しむのにぴったりの器です。
 

自分の好きなものに出会えることが一番大切

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手に持っている茶碗:萠窯 飯碗(鹿) 3,850円(税込)
「今回、グラスやカップを紹介してきましたが、本当に大切なのは食事やお酒を楽しむ方が、本当に好きになれる器と出会うことだと思います」と磯部さん。

「作家の作品は、同じ形のグラスや茶碗でも少しずつ姿が違います。例えばお茶碗なら、同じ生地を使っていても、絵付けの筆運びで表情が大きく変わってきます。このお茶碗なら左右で、鹿の向きが違うでしょう?この遊び心、手仕事ならではの“ゆるさ”が魅力なんです。」
 
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「うつわ屋 Meetdish」に訪れるお客さんの中には、カップルやご夫婦で訪れても同じものを買わず、めいめいに気に入ったものを選ぶことが多いそう。

「器は料理の着物」。私たちがお気に入りの服装やアクセサリーを選ぶように、毎日使う食器や酒器も、自分好み・自分の色が感じられるものを選んでみてはいかがでしょうか。
大阪本町の「うつわ屋 Meetdish」でなら、あなたの心に響く、一点ものの酒器に出会えるかもしれません。
 


【取材協力】
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「うつわ屋 Meetdish」
住所:大阪市中央区本町4丁目7−8 1f 加地ビル
TEL:06-6266-6006

不定休 
平日11:00〜18:00
土・日・祝11:00〜17:00
詳細はホームページ及びInstagramにて

ホームページ:https://meetdish.com/
Instagram:https://www.instagram.com/meetdish/
 
   

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