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【TRANSIT×酒噺】旅の“宝噺”<アイスランド編>

【TRANSIT×酒噺】旅の“宝噺”<アイスランド編>

2018,9,21 更新

トラベルカルチャー雑誌「TRANSIT(トランジット)」では、毎号特集した国や地域の旅の思い出を編集部と制作に携わった取材クルーが語りあう「旅の宝話」という企画を連載しています。「酒噺」では、「TRANSIT」とのコラボ企画として不定期に、その内容を「旅の“宝噺”」としてご紹介します。今回は火と水の国「アイスランド」。真夏の白夜のアイスランドから舞い戻った写真家と、熱も冷めやらぬまに編集部で乾杯! 何して、何食べ、何飲んだ? 現地の味を肴にして、旅の思い出が尽きない夜になりました。

■取材クルー プロフィール

濱田大輔(はまだ・だいすけ)(写真家)
21歳の時に渡仏、独学で写真を学ぶ。2009年帰国後、ファッション、ポートレートを中心にフリーランスとして活動。TRANSITアイスランド特集では「自然と人間の営み」をテーマに、アイスランド馬の農家や大自然を訪れた。

アイスランドの旅の“宝噺”

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編集部(以下T):濱田さんは長くヨーロッパで活動されていたとか。アイスランドはどんな印象でしたか?

濱田(以下H):とにかく白夜の眩しさが目に焼き付いてます。取材は7月末あたりでしたが、朝6時から夜11時までずっと正午みたいな明るさ。ヨーロッパだと日が長いくらいの感覚なので予想以上でした。暑いわけじゃないんですけど、ただただ日差しが強い。

T:ずっと正午! ということは、撮影時間も長くとれそうですね。

H:時間に縛られないというのはありましたが、夜8時くらいになるとやはり多少陽は傾いてくる。日本でも西陽って眩しいじゃないですか。車移動だったのですが、日差しがアスファルトに反射して前が見えにくいときがたまにあって、ヒヤッとしました。
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【日差しは強く影は濃い】

T:そんなに昼が長くても、アイスランドの人は普段と変わらない生活をしているんですよね?

H:慣れているんでしょうね。でも、夏ならではの過ごし方があるのかなと。郊外にはサマーハウスというトタンとかでできた簡素なつくりで、単純にひと夏を過ごすための家があります。親戚のだれかしらが所有していて、夏になるとそこに家族が集まるみたいです。家の前にテーブル席を出してのんびりお茶したり、ニット編みしている人もいました。あとはハイキングや釣りもするそうです。そういう豊かな生活文化がうらやましく思いました。ただ、そこまで郊外に出てしまうと店がなくなる(笑)。滝とかの有名な観光地ですら、日本みたいな飲食のあるちょっとしたスタンドやお土産屋は皆無でした。
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【鮮やかなビーツのバター。アイスランドはどこへ行っても水がおいしい】

T:天気はずっと晴れだったんですか?

H: 2日目にレイキャヴィクから北へ走ったときに、だんだん雲が流れていって。それから最終日までずっと晴れっぱなし。おかげで予定にない村にも立ち寄れて、思いがけない写真が撮れました。でも1日目だけ、空港から降り立ったときには曇りでした。ちょっと霧がかっていて、苔や溶岩に覆われた黒っぽい大地なので、あたり一面が惑星みたいだなって。こういう景色に出会えるのがアイスランドなのかもと思いました。

T:晴れても曇っても良い、って、夏のアイスランドはお宝景色しかないの?

H:ははは。辿り着くまでが宝探しみたいな感じはありますね。あまり舗装されてない道路も多くて、蛇行しているし、アップダウンもある。なかなか目の前がひらけないんです。次の角を曲がって、この坂を超えたら、目的地の絶景があるんじゃないかって期待するんですけど、なかなか着かない(笑)。でも、ついに絶景に出会えたときの喜びは倍増ですね。あとは道中のふとしたところにある湖が幻想的な乳白色だったり。

T:アトラクションみたいな道路!まさに冒険物語のような旅ですね。
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【美しい色の湖で休憩。道路で他の車はみかけないのに観光地には客がいるから不思議】
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【羊肉文化のアイスランドで食べたスモークラムチョップ】

TRANSITとは?

世界のさまざまな風景や歴史、ファッション、食、音楽などの文化を、“旅”というフィルターを通して紹介する、大人のためのトラベル・カルチャー・マガジン。美しいビジュアルと土地の空気感をとらえた文章により新たな視点の旅を提案しています。

URL:http://www.transit.ne.jp/

クレジット

TRANSIT編集部=文 濱田大輔(STIJL)=写真
(雑誌に掲載されている文章と一部異なる部分があります。)
   

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