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〆にも、アテにも最適!酒場カレーの噺

〆にも、アテにも最適!酒場カレーの噺

2019,11,1 更新

お酒の〆(シメ)の定番といえば、ラーメンにうどん、そば。さっぱりとしたお茶漬けから、スイーツまで好みは人それぞれですが、酒噺はもうひとつ、お酒の〆にぴったりなメニューを提唱します。それがカレー。飲んだ後の小腹を満たすボリュームに、気分をシャキッとさせてくれるスパイス、何といってもカレーには、酒飲みの強い味方“ウコン(ターメリック)”が使われているんですから、これはもう〆はもちろん、酒の肴にしてもぴったりな料理です。今回はこだわりの逸品と絶品カレーが味わえる隠れ家的酒場を訪問しました。

香里園にある隠れ家のような酒場へ

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京阪電鉄香里園駅のほど近く、居酒屋が軒を重ねる路地を歩いていると、ちょっとあやしげな背の低い木戸が見えてきます。こちらが今回訪問する凡三(ぼんぞう)。
酒場というとガラスの窓から覗く楽しげな酔客の様子に釣られて思わず一杯、なんてことが多いのですが、この店ではそんなシチュエーションは皆無。なぜなら閉ざされた木戸の奥は一切見えない、まるで隠れ家のような佇まい。
ただ、その木戸に掛けられた黒板にはこう書かれています。
「あやしい感じですが、いっこもあやしありません」
その言葉を信じて、店内へと進んでみます。
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扉を開けると穴蔵を彷彿(ほうふつ)とさせる店内。カウンターや背面には、大量のDVDや昭和期の雑誌が所狭しと並ぶレトロな空間が広がります。長く伸びたバーカウンターの中で、私たちを出迎えてくれたのは店主の小西壮太(こにし・そうた)さんと、女将の理佳(りか)さん。

店のメニューを決めるのは、季節とお客さんの舌

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カウンターの上には、メニューの書かれた短冊がずらり。
マグロの刺身やクジラに始まり、コロッケ、カレー、ホルモン、ガパオライス、チャンジャにさいぼし(馬肉の燻製)、よだれ鶏となんとも多国籍、というか、もはや無国籍風でもあります。
小西さんは大阪の下町・西成の出身。前職はアパレル関係の職に就きバンドマンとしても活躍していたそう。仕事や音楽活動を通じて、日本各地や世界各国を渡り歩いた経験が、この多彩なメニューに結実しているのです。
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「アメリカだけで50回、中国は30回以上、ほかにもあちこち見て回りました。訪れた先で美味しい料理を見つけると、そのレシピを現地の方に聞いて自分なりに作ってみる。それから、買い付けもほぼ毎日大阪府下全域に出かけて、市場やお店で見つけた旬のもの、珍しいものを提供しています。そんなわけで、うちのメニューはここまで増えてしまったんです」。やれやれといった風に語る小西さんですが、この店のメニューは旬や仕入れによって変わるだけでなく、お客さんからの持ち込みや要望によって実現したレシピも多いそう。料理が好きで、この店を訪れる人を大切にする―ずらりと並んだ短冊からは、そんな小西さんの優しさが垣間見えます。

プレミアムチューハイと楽しむ無国籍な料理の数々

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凡三では、料理と合わせたお酒にもしっかりとこだわっています。焼酎や日本酒の銘柄も多いのですが、特にお客さんから人気が高いのが、宝酒造のプレミアムチューハイ、タカラ「産地の恵み」(西日本地区限定発売)
「うちの料理は油っぽいものも多いから、さっぱりした宝のプレミアムチューハイは本当によく出ますね。以前、瀬戸田レモンが台風の被害を受けて手に入らなくなった時は、お客さんからブーイングが起きたほどです。まぁ、論より証拠。料理との相性をみてください」(小西さん)。
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はじめに登場したのは「酸辣土豆絲(サンラー トゥードウスー)」。
千切りにしたジャガイモとピーマンをさっと炒めた、酸味・辛味の調和が楽しい一品。ジャガイモのシャキシャキ食感と、あっさりした味は手始めのアテとして最適。タカラ「産地の恵み」<瀬戸田レモン>の酸味との相性も抜群です。
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続いては「ぷりぷりエビ水ギョーザ」。エビがぷりぷりなのかと思いきや、メインはなんと皮の方。肉厚のもちもち、ぷりぷりの食感の皮に歯が通ると、中からはエビギョーザの肉汁がたっぷりと溢れて、実に美味い! この旨味の洪水を受け止めるのは、ちょっと贅沢な寶クラフトチューハイの「愛媛宇和ゴールド」。ほのかな苦味と豊かな香りが皮の甘み、具の旨味を引き立ててくれます。
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さっぱり系の料理が続いたところでカウンターに届いたのは、「ホルモン炒め」。
西成出身の小西さんが、子供の頃から慣れ親しんだ味わいに一工夫して食べやすく、またお酒にもぴったりな料理にアレンジ。ピリッとした辛味と玉ねぎの甘み、ホルモンの食感、下町的な飾らない美味しさです。
合わせるのは、「馬路村ゆずチューハイ」。ホルモンの濃厚さと並び立つ、豊かな香りを堪能できます。
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さらに、この店のつまみで一番人気という「紅ズワイガニのクリームコロッケ」。
「カニカマ使ってんじゃないの?」と常連さんが言われるほど、たっぷりと使われた紅ズワイガニの身が、サクサクの衣の下からクリームがあふれて舌の上に飛び込んでくる一瞬はまさに口福の一言。一番人気には一番人気を、ということで、改めて<瀬戸田レモン>のクラフトチューハイをチョイス。揚げ物のこってり感に合わせるなら、やはり甘くないレモンチューハイを置いてほかにはありません。

飲むか、〆るか。悩ましいスパイスカレーの魅力

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たっぷりの料理とプレミアムチューハイを楽しんだ後は、今日の真打・〆のカレーの登場です。かつてシンガポールに住んでいたという小西さんが、独自のスパイスを配合したオリジナルのスパイスカレーは、大人好みの刺激的な辛さの奥から、カルダモンの強い香りが漂って、ほろ酔いの頭をシャキッとさせてくれます。このスパイス感、確かに酒の席の〆にぴったりなのですが、困ったことにこのカレー、美味しすぎてお酒が進んでしまいます。
「別の店でお酒を飲んで、ウチで〆にカレーを食べにくるお客さんも、また飲んじゃう人が多いですね。それどころか、ルーをつまみに本格的に飲み始める人もいますよ」と、小西さん。
〆として食べるべきか、お酒と合わせて楽しむべきか。なんとも悩ましい選択に迫られます。

人も店も料理の相性も、ミスマッチだから面白い

〆のカレーを食べ終えて一息。たっぷりとプレミアムチューハイをいただいたはずなのに、いつもより酔いが穏やかな気がするのは、カレーのせいでしょうか。
もしかするとこの店の居心地の良さのせいかもしれません。
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「この店の原点は、私の生まれた西成にあるんです。安くてボリューミーで、いろんなものが多彩に楽しめる。気取らない大衆酒場が私の理想。だから、ずっとこの店のこの雰囲気を守っていきたいんです。もちろん、料理は日々変わります。カレーだって作り続けてもっと美味しくしたいですが、いつ来ても和めて常連さんと一緒に笑って過ごせる、そんな大人の遊び場であってほしいと思います」。

あやしげに見える木戸の奥、ちょっと暗いカウンターの店内には、どこまでも和やかで親しみやすい料理と妥協せずにおもてなしを続ける優しい店主が待っていました。
お酒とカレー、一見するとミスマッチなように見える組み合わせのように、店も料理も人も、見かけにはよらないものです。
香里園へお出かけの際は、ちょっと背の低い木戸をくぐって、凡三へ。
皆さんも、絶品料理とお酒の後に、〆のカレーを楽しんでみませんか?

<取材協力>

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凡三
営業時間:18:00〜LAST(表の電気が消えるまで)
定休日:日曜日
住所:大阪府寝屋川市香里南之町33-8


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