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上賀茂の新鮮野菜で味わう本格タイ料理の噺

上賀茂の新鮮野菜で味わう本格タイ料理の噺

オーナーが青年時代、旅の途中で取得した語学と味覚は、京都のタイ料理としてこんなに素敵に花咲かせました。

目印は、北山通のトゥクトゥク

コンサートホールや植物園がある地下鉄北山駅のすぐ近くに、タイ料理レストラン「チャンノイ」があります。
タイ語で「小さな象」を意味する店名が、大きな木製の看板に掲げられていて、異国情緒を感じさせます。
天気のいい日には、北山通に面した大きな窓が開け放たれ、外からは店の調度品、音楽まで漏れ聞こえます。

まさに、タイのお店をそのまま運んできたような雰囲気です。それを決定づけるのが、店の前に無造作に置かれているタイのオート三輪タクシー「トゥクトゥク」。
私たちが珍しそうに眺めていると、気さくな店主の松本統(まつもと・おさむ)さんが「乗りますか?」と話かけ、町内を一周してくれました。すっかりタイを訪れた気分で、美味しい料理とお酒の話を聞くことになりました。

自分の好きなことを模索、そして開業

現在51歳の松本さん。大学を出てサラリーマンになったけれど、時は世紀末でした。松本さん曰く「この世が終わる前に、自分の好きなことをやっておこう」と思い立ち、6年勤めた会社を辞め、単身でタイのバンコクへ。

高校時代から趣味だった一人旅、中でもバンコクは大好きで、1年間の語学留学を果たします。当時を振り返ると「英語以外で、外国語をしっかりものにしたかった」という松本さん。習得したタイ語は帰国してからも忘れないように、京都大学で学ぶタイ人に家庭教師を頼んだのだとか。帰国後は「何か商売をしたかった」そうで、まずは実家が営む果物屋のフルーツパーラーを、夜だけフルーツカクテルバーとしてオープン。その頃から、現地で覚えたタイ料理を、ときどきお客さんに振る舞い、絶賛されていました。

いつしか「タイ料理レストランをやろう」という夢が芽生え、すべての歯車が回り始めました。北山に物件を見つけてからは、語学を習っていたタイ人たちと、本場のタイを感じてもらえるレストラン作りを計画。2004年、ついに「チャン・ノイ」をオープンしました。

当初は、メニューも調理も仲間と自力でこなしていた松本さんでしたが、「本格的な料理は、やはり現地のシェフでなければ」と、タイの一流ホテルからシェフを呼び寄せ、お店はどんどん本格派レストランへと進化します。

本場の再現を経て、地元オリジナルへ

「タイ料理は日本のお酒にもよく合う!」と話す松本さん。お客さんもメニューごとに様々なお酒を要望されるようになり、今では焼酎から泡盛、紹興酒まで種類豊富に取り揃えられています。
「最初は、どうやってタイの味を再現するかが課題だったけれど、今は京都の食材をどうやって美味しいタイ料理にするか。それが課題です」。
ここでしか味わえないタイ料理を追求する松本さんに、自慢の料理を、大好きなお酒とコーディネートしてもらうことになりました。

タイで有名なエビと挽肉の春雨サラダ「ヤム・ウンセン」は、チューハイとの相性が抜群。ピリッと辛いサラダにスッキリとした爽やかさがあり、食欲をそそります。

タイ風空芯菜の炒めもの「パッド・パクブン・ファイ・デーン」は焼酎の水割りで。日本では、空芯菜は夏野菜。上賀茂の農家から直送しています。10月から6月は加賀野菜の式部草の炒め物も登場。地元素材をふんだんに使用するタイ料理は、お酒によく合います。

人気のメニューは、但馬鶏もものタイ風グリル焼き「ガイ・ヤーン」と、ココナッツミルクが香る鶏肉のグリーンカレー「ゲーン・キョーワン・ガイ」。ハーブや香辛料の風味が豊かな本場の味は、紹興酒やチューハイがおすすめです。

そして、チャン・ノイ自慢のメニューが、ソフトシェルクラブのカレー卵とじ炒め「プーニム・パット・ポンカリー」。カレー卵とじというタイの定番料理に、やわらかいカニを入れたら美味しいかも、と思い立って考案。すると「驚いたことに、タイにも似た料理があったんです! だから自信満々で出せる、うちのオリジナルです」。さっぱりと焼酎でいただきます。

ランチタイムに人気なのが、開店当初から変わらないレシピの、タイ風焼きそば「パッタイ」のセット。本場タイと同じで、ほんのり甘いお新香が入っています。

最近、定番になりつつあるデザートが「ドラゴンフルーツ」。「日本でも美味しい種類が手に入るようになったので」といち早く取り入れました。さすがは果物屋さん育ち、松本さんの食材への目利きはメニューの軸となっています。

自由で優雅に、酒を通じて人生を楽しむ

飄々とした面持ちで、どこか陽気でユーモラス。そんな松本さんの眼光は鋭く、タイ料理を京都と言う場所でどう美味しく届けるかを、いつも真剣に追求されています。
「2号店を検討していた矢先の新型コロナウイルスの感染拡大。いろいろ予定は狂ったけれど、自分のやりたいことを大切にしていきたい。酒が好きだから、このお店はいろんなお酒を楽しめる場所にしたいしね。だって、酒は楽しいじゃん」。
朝は仕入れ、昼はレストラン、夜はバー。人生を楽しんでいる松本さんの働く姿は、ときに優雅で自由な空気になって、店を暖かく包んでいます。

<取材協力>

住所:京都市左京区下鴨南芝町41
営業時間:
ランチ 11:30-14:00(L.O)14:30 閉店
ディナー 17:00-20:30(L.O)21:00 閉店
※5月22日~当面の間、営業時間を変更しています。
定休日:火曜
URL: http://kansai.me/changnoi/

▽今回タイ料理と一緒にご紹介したお酒はこちら

・タカラcanチューハイ
https://www.takarashuzo.co.jp/products/soft_alcohol/regular/

・宝焼酎「JAPAN」
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/japan/

・紹興酒「塔牌(トウハイ)」
https://www.takarashuzo.co.jp/products/touhai/

・本格焼酎「よかいち」
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/yokaichi/
▽そのほか、『ハンケイ500m(https://www.hankei500.com)』コラボ記事はこちらから

・京都・南太秦の食を満たす、もの静かな店主の賑やかな酒場の噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat3/SPpCe