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酒と旬菜で、秋を呑む噺

酒と旬菜で、秋を呑む噺

食欲の秋に楽しむ晩酌は、食材だけでなくお酒も秋の味覚を楽しみませんか?

朝晩の気温がぐっと下がり、秋深まってきたこの頃。
暑かった頃は一杯目にレモンサワーやハイボールがお決まりだったのに、秋風が吹き始めると日本酒が恋しくなってきます。
食欲の秋。野山に海に季節の食材が溢れるこの季節はまた、日本酒が美味しくなる季節でもあります。
秋に美味しくいただける日本酒と、日本の四季がくれる秋の味覚。
この二つを合わせて、今しか味わえない季節の酒席を楽しんでみませんか?

秋酒の嗜み

寒さが徐々に忍び寄ってくる秋は、まだまだ冷や(常温)も美味しい時期ですが、夕暮れ時の冷え込みがあると、ぬる燗程度の人肌のようなちょっとした温もりが恋しくなります。

冷やでいくなら、やはり吟醸や純米大吟醸がおすすめ。
果実を思わせる吟醸香や磨き上げた玉のように玲瓏(れいろう)繊細な口当たりは、冷酒でその真価がわかります。

では、ぬる燗ではどんなお酒が良いのか。
一般的にはどっしりと腰があり、パワフルな旨味をもつ生酛純米のお酒が最適。
程よく温めることで、米や麹の香りがふわりと立ち上り口の中で一気に広がります。

この季節にこそ味わいたい日本酒&きのこ

せっかく秋に日本酒を楽しむのであれば、それとともに味わう酒肴(しゅこう)でも秋の風情を感じたいもの。秋に美味しくなる食材は数々ありますが、酒噺がお勧めするのは、ズバリ「きのこ」。

秋の味覚の代表格で、旨味もたっぷり。さらにアルコールの代謝に使われるビタミンB1も豊富なので、言うことなしのお酒の名パートナーです。
今回は、スーパーなどで手に入るきのこを中心に日本酒との味わいを紹介していきます。

焼きしいたけ

日本人にとって馴染み深いきのこである、しいたけ。
数々の日本料理に使われていますが、秋のしいたけは焼くだけで主役となる美味しさです。炭火を起こした七輪で、表をさっと焼き、裏返して傘の裏にじわりと水滴が浮き始めたら食べ頃。余計な手は加えず、生醤油をさっとまわしかけていただくのが最も美味しい食べ方です。
噛むとプリッとした食感が口の中で弾けてジューシーな味わいがあふれ出します。その余韻が消えないうちに日本酒をひと口。しいたけの出汁で、お酒の旨味が何倍にも膨らみます。

えのきバターポン酢

えのきはお手頃価格のきのこですが、これもお酒のお供には最適。
焦げないようにアルミホイルで包んで、ポン酢をひと回しした後、バターをひとかけ上に乗せたらしっかりと口を締めて七輪の上へ。
ホイルからじりじりと音がし始めたら出来上がりの合図です。最後に七味をかけたら出来上がり。
ほんのりと甘いえのきは、日本酒の豊かなコクに負けない濃厚なバターポン酢の旨味が合間って、なんともお酒が進む一品です。

ガーリックマッシュルーム

西洋のきのこで、日本でも簡単に手に入るものといえばマッシュルーム。これも旨味がたっぷり詰まったきのこです。
七輪やオーブンで軽く火を通したら、すりおろしニンニクとレモン汁、塩、オリーブオイルを絡めていただきます。

たかがマッシュルームと侮ることなかれ。程よく歯ごたえを残した身の中から飛び出る旨味が、ガーリックオイルと合わさると、得も言われぬ味わいに。
つまむ手が止まらなくなること必須のメニューです。
ニンニクなどの強い刺激と、日本酒は一見合わないと思いがちですが、意外とこれがよく合います。日本酒の味わいがニンニクやオリーブオイルをしっかりと包み込み、その魅力を引き立ててくれますよ。

焼き舞茸のごま油ポン酢

野趣あふれる香りの舞茸は、鍋物の具材はもちろん、ただ焼くだけでも美味しくいただけます。
今回は、焼いた舞茸にちょっと一手間。網でさっと焼き、軽く焦げ目がついたら、ごま油とポン酢であえていただきます。

ごま油と舞茸の焼き目の香ばしさと、それらをうまくまとめ上げるポン酢の酸味。
幾重にも重なる風味に思わずうっとりとしてしまいます。日本酒との相性も言わずもがな。日本酒のまろやかな香りと、力強いきのこやごま油の香味が不思議と調和します。

焼き大黒しめじ

「香り松茸、味しめじ」といわれるしめじは、私たちが普段スーパーで見かけるブナシメジではなく、この大黒しめじ(本シメジ)であると言われています。
その名の通り、大黒様が座っているような、丸く可愛らしいフォルムのきのこですが、やはりその食味は味しめじの名に恥じることのないもの。
炭火で軽く焼いて、すだちやポン酢を絞っていただきます。

プリッとした食感の軸からは、滋味たっぷりの旨味が溢れ、口いっぱいに香気が広がります。思わず深呼吸して胸いっぱいにその香りと味の余韻を広げたくなるほどの美味しさ。
旨味を持つ大黒しめじは、数あるきのこの中でも、日本酒と最も見事に調和するものの一つと言えます。

お酒の秋の味覚・秋あがり(ひやおろし)とは

ところで、秋の味覚と言えばすでにお伝えしたきのこのほか、サンマや栗など豊富にありますが、お酒にも「秋の味覚」があるのをご存知でしょうか。

秋に出回る日本酒としてよく名前が挙がるのが「秋あがり」と「ひやおろし」。
「秋あがり」は「ひやおろし」の別称で、冬に仕込んでひと夏熟成させ、秋に香味が整った日本酒です。
一般的に、日本酒は本来、春先に新酒を絞った後と出荷前の2回、加熱殺菌が行われますが、「ひやおろし」は再加熱しない方法を取ることで、繊細な日本酒の香りや味わいのバランスが加熱で損なわれることなくその風味を楽しめるのが特徴。
ちなみに「ひやおろし」はその再加熱殺菌をせず「冷や」のまま樽に「卸(おろ)して」出荷したことが由来だと言われています。

秋あがりやひやおろしはいずれにしても、秋の気温や気候が酒の美味しさを左右しており、この季節にしか味わうことのできない、まさに季節の味なのです。

秋にしか味わえない、だからこその贅沢に「日本酒」を

食欲の秋、味覚の秋。
野山だけでなく、店頭にも色鮮やかに酒菜が並ぶこの季節。
せっかくですから、いつものおつまみもこの時期にしか味わえないものにちょっと変えてみてはいかがでしょう。
きっと「ああ、日本人に生まれてよかったなぁ」と思える素敵な一献を楽しめますよ。

皆さんも、ご自宅で秋の味覚と日本酒を堪能していただくとともに、もし居酒屋さんで「秋あがり」「ひやおろし」を見かけたら、ぜひその味も確かめてみてくださいね。


▽おすすめの日本酒はこちら

・特撰松竹梅<大吟醸>磨き三割九分
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・松竹梅<純米大吟醸>500ml 紙パック
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▽秋におすすめのお酒の噺はこちら

・実践者は意外と多い?読書酒の噺
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