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やすらい祭のお囃子に浮かれつつ、春の宵にお酒を一献傾ける噺

やすらい祭のお囃子に浮かれつつ、春の宵にお酒を一献傾ける噺

京都をよく知る酒好きの人物が、京都の名所や歳時記とともに、酒の楽しみ方を教えてくれるシリーズの第2弾。前回に引き続き、祇園祭の囃子方をつとめる北村匠海さんに案内していただきます。4月のお楽しみは、京都三奇祭のひとつ、今宮神社の「やすらい祭」。見物のあとは、神社近くの行きつけの店でお酒に酔いしれるのを楽しみにしています。

祭囃子にワクワク。4月の京都は行事が多彩

船鉾の囃子方の練習は、毎年3月から開始。春の陽気を感じる4月になると、もう暑い夏の祇園祭が頭に浮かんできて、練習にも熱が込められていくそうです。それだけではなく、京都の4月は、花や行事が盛んです。歳時記とともに、楽しくなる時期でもあります。
祇園祭囃子方の北村さんが奏でる笛

祇園祭囃子方の北村さんが奏でる笛

囃子方として笛を吹く北村さんにとっては、お囃子のある祭は特に気になるのだとか。なかでも、例年、4月の第2日曜に行われる京都紫野・今宮神社の「やすらい祭」に行くのが恒例だそうです。

やすらい祭は京都三奇祭のひとつ

今宮神社は大徳寺のすぐ北にある古社。
ここで開催される「やすらい祭」は、赤毛や黒毛の赤装束の少年たちが、鉦(かね)や太鼓を打ち、お囃子をともなって、独特の踊りによって疫神を追い立て、風流傘へと誘って練り歩き、最後は今宮神社に集結するというもの。
「鞍馬の火祭」、「太秦の牛祭」と並ぶ京都三奇祭のひとつです。赤い大きな風流傘は疫病を集めるとされ、その下に入ると疫病除けになるのだとか。その光景はまさに「奇祭」。一般のお祭りにはないシーンが展開されます。

北村さんはお囃子の音を頼りに先回りして路上でスタンバイ。一行がやってくると一眼レフカメラでナイスショットを狙うそうです。
「やすらい祭は、花の時期に流行る疫病鎮静の意味で始まったお祭。今の新型コロナウィルス流行の状況から見ても、改めて大切な祭だと思いますね」と北村さん。
※2021年の「やすらい祭」開催について
地域巡幸は休止。地域の祈りと願いとして、祭礼関係者のみで神事が斎行されます。

祭のあとは、神社近くの居酒屋で一杯

賑やかな行列が今宮神社に入り、本殿前での奉納が終わると、いよいよ祭も終わり。心地よい疲れとともに、喉も乾いた酒好きの北村さんは、その足で近くの居酒屋を目指します。実はこれも恒例だそうです(笑)。

行き先はいつもの居酒屋「餃子松吉(まつきち)」。
今回は、やすらい祭り開催前に、北村さんにこちらの店に連れて行ってもらいました。

「ここの餃子をアテに飲むのが最高なんです。もともと居酒屋だったのですが、コロナの影響で営業形態を変えられて、なんと昨年から餃子がメインになったんです。これが酒と合うんですよね。もっと酒を楽しむ店へと進化した感じですね、店長!」と、北村さんは馴染みの店主、飛永圭祐さんと話します。
住宅地にある土地柄か、お客さんは家族連れや学生も多いそう。餃子がメインになった今は、テイクアウトも好評です。
「じゃ、焼き餃子と水餃子、あとは店長おすすめのメニューを見つくろってください!」そう言って、北村さんはテーブル席に上がり込みました。

ナッツといぶりがっこが香ばしいオリジナルのポテサラ

席につくやいなや、すぐに出てきたのは「燻製ポテトサラダ」。クリーミーなポテトサラダに、炒ったナッツといぶりがっこ(燻製たくあん)、ベーコンも入った一品です。
「やさしい味の中に、燻製の素材が効いていて、ナッツの歯ごたえも抜群! これはお酒が欲しくなるポテサラですね」と、北村さんも絶賛。
一緒に合わせるのは、濃厚な宇治抹茶の風味が楽しめる「宇治抹茶ハイ」。抹茶の心地よい苦味と深みを堪能しつつ、まずはちびちびと喉と空腹を潤し始めます。

九条ねぎを使った京都風焼き餃子と水餃子の食べ比べ

そしてお待ちかねの焼き餃子「九条ねぎ餃子」。地域限定の「寶CRAFT」<京都ゆず>と合わせていただきます。
「京都の食材・九条ねぎを大量に使った餃子です。九条ねぎの香りと甘みを残しつつアクをとり、準備に時間をかけて丁寧に仕上げています」と語る飛永店長。
九条ねぎと豚肉に、キャベツ、白菜、生姜、にんにくも入り、栄養満点。小瓶に入った、自家製酢味噌をとろりとつけていただきます。

チューハイを飲みつつ、こんがりとした焼きたての餃子をかじる北村さん。
「九条ねぎの風味が生きていて、その餃子のコクと、柚子果汁の効いたチューハイがさっぱりとしていて好相性。うんうん、ぴったりだな」と楽しそうです。
「寶CRAFT」<京都ゆず>に使用されているのは、京都府水尾産のゆず。果肉をまるごと搾った果汁が入っていて、果実の華やかな香りも楽しめます。京都の奇祭を楽しんだ後にいただく、京都の酒と九条ネギ餃子。なんとも趣深いですね。

さて続いて、店長が持ってきたのが「和風だし水餃子」。
「これはすごい! 餃子の挽き肉にお出汁がよく効いてますね。生姜の味もスパイスとなっている。皮もとろんとして最高だ!」と北村さん。
九条ネギに和風だし。いかにも京都風の餃子に、京都の味が大好きな北村さんは、すっかり満足したようです。

くせになる味わい、鶏ハラミのスタミナ焼き

「これ、おすすめなんですよ」と店長が運んできたのが「鶏ハラミのスタミナ焼き」。ハラミは鶏の腹壁筋肉で、少ししかとれない貴重部位。
ボリュームのある料理も食べたかった北村さん、「大きなハラミだなあ。味付けもほどよくて、これはまたお酒が欲しくなる!」と、チューハイのアテにハラミを頬張ります。
爽やかな果汁の風味が、こってりしたタレの味にベストマッチ! 北村さん、そろそろ酔いも回ってきたようです。

シメは「松吉」自慢の絶品キーマカレー

「スパイスから自家製のキーマカレーも、ぜひ味わって欲しいです」と話す飛永さん。
カウンターに並んだスパイスの小瓶の奥から、自信満々の笑みがこぼれます。シメは、松吉自慢の「自家製スパイスキーマカレー」で決まりです。

カルダモン、フェンネル、ターメリック、クミン、ガラムマサラ……と、さまざまなスパイスが駆使された自家製のオリジナルカレー。たっぷりのご飯の上には、煮卵、ツナ、かぼちゃペースト、赤キャベツの酢漬けなど、これまた自家製のトッピングが鮮やかに盛られます。

「ほどよい辛みでトマトの酸味も効いている! トッピングも珍しいものばかりですね。混ぜながら食べると、実においしい!」。
カレーひとさじずつに、チューハイを味わう北村さん。お腹もふくれてきて、今日はそろそろお開きのようです。

「ごちそうさま! 餃子をはじめ、新しい工夫に富んだ創作料理は最高でした! 何より、酒に合うメニューが多くておいしかったです」。
笑顔で話す北村さんに、「コロナ禍でいろいろあったけれど、せめて身体によいもの、おいしいものをお客様に食べて欲しいと思っていました。だから、自家製にこだわり、安全・安心な食材を使って、今までに増しておいしものを工夫して作っています」と飛永さん。

今宮やすらい祭の見物とリニューアルされた「松吉」での一杯。北村さんは「祇園祭へ向けて新しい活力をたくわえた!」と、意気込んで帰路につきました。

<取材協力>
餃子「松吉」
住所:京都市北区紫野下門前町2-2 マノワール紫野1F
営業時間:18:00~24:00(ラストオーダー23:00)
電話番号 075-492-2020
定休日: 火曜
※新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、営業時間等に関しましては、店舗にお問い合わせください(取材日:2021年3月15日)

▽料理と一緒にご紹介したお酒はこちら
「寶CRAFT」<京都ゆず>https://www.takarashuzo.co.jp/products/soft_alcohol/takara_craft/

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『ハンケイ500m』ホームページ;https://www.hankei500.com

・大の酒好き、祇園祭の囃子方が京弁当をアテに飲む噺
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