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京都の老舗豆菓子屋主人が語る「京都の節分と酒」の噺

京都の老舗豆菓子屋主人が語る「京都の節分と酒」の噺

2022,2,3 更新

京都をよく知る酒好きの人物が、京都の名所や歳時記とともに、酒の楽しみ方を語るシリーズの第12弾。今回は、京都の老舗豆菓子「豆政」五代目の角田潤哉(かくだ・じゅんや)さんに話をお聞きしました。2月の京都の歳時記といえば「節分」。京都の節分文化や酒のアテにもなる“豆”について語っていただきました。

京都・夷川(えびすがわ)で創業138年の老舗

豆政は、明治17(1884)年、京都・夷川で創業した豆菓子の老舗。明治20(1887)年、豆に五色の砂糖がけをした五色豆(ごしきまめ)を発売し、以後、「夷川五色豆(えびすがわごしきまめ)」として京名物になりました。

また時代に合わせて、お茶菓子「※すはまだんご」やわさび、カレー、チョコレートなどでコーティングした豆菓子、洋風テイストを取り入れた「クリーム五色豆」など多彩な商品を製造・販売しています。
※すはまだんご:きな粉を水飴を使って練り上げ、赤、黄、緑の3色の団子にして串に刺したもの

五代目の角田潤哉さんは、1963年生まれ。幼い頃から香ばしい煎り豆の香りに包まれて育ちました。地元の学校に通い、大学卒業後は、金融機関勤務を経て家業の豆政へ入社。2002年には、先代の跡を継いで五代目当主に就任しました。

「世界一おいしくて、世界一喜ばれ、世界一有名な豆のお店になる」をキャッチフレーズに、伝統製法を守りつつ、若い人や海外の人にも受け入れられる商品の開発やアピールに日々奔走しています。

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「豆政がこの地に創業して今年で138年目になりますが、この夷川界隈は昔から良い湧き水があるところなんです」と角田さんは語ります。

現在は京都の家具屋街として知られる夷川界隈ですが、かつてこの近辺は造り酒屋が多い町だったそう。夷川の湧き水は酒造りに適していたそうですが、街の開発・発展とともに、多くの造り酒屋は、名水の地として知られる伏見に拠点を移したそうです。
しかし、豆政は昔と変わらず、今も湧き続ける良質な水を使って、ここで豆菓子を製造しています。

「材料である乾燥した大豆は、まず水につけてふやかし、その後、直火で炒って香ばしく仕上げます」と角田さん。そのふやかし加減も難しく、日々変化する水質、水温、気温、湿度に合わせて作業するのだそう。「夏は冷たく、冬は温かく感じる地下水は、水温が一年中安定しているので、デリケートな豆の仕込みに適しています。水道水と違って塩素もないので雑味もなく、大豆本来のおいしさを引き出せるんです」と、豆菓子にとって水がいかに大切かを語っていただきました。

若者や外国人にも大人気。カラフルで多彩なパッケージ

角田さんが五代目に就任してからは、年に2品は新製品を出しているそうで、人気商品が続々と生まれています。
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また7年前には、お土産として人気の高い「京の町かど」シリーズのパッケージを刷新。ギフトやお土産としてもぴったりの、京都の移りゆく四季や景色を描いたカラフルなイラストのパッケージが人気を呼び、若い人や外国人のお客様も増えているそうです。

大晦日に邪気を払う「追儺式(ついなしき)」が節分行事の起源

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さて、そんな豆政の原点となるのが「煎り大豆」。この豆が「福豆」として節分の豆まきに活躍します。

日本での節分行事の起源は、宮中行事として平安時代に行われていたといわれていますが、実は、「鬼は外、福は内」と掛け声が飛ぶ豆まきは、当初、宮中では行なわれていませんでした。
かつて、節分行事は、立春の前の大晦日(おおみそか)に、「追儺式」において弓で鬼を射ることで邪気祓(はら)いをしていたそうです。今でも京都の吉田神社ではこの古式に則り、儀式が執り行われています。

その後、室町時代に豆まきが始まったといわれていますが、一般の人が豆をまくようになったのは江戸時代。場所も現在の東京周辺から盛んになったといいます。時代が流れ、豆をまくことで翌年の厄を祓うとともに、「魔滅(まめ)」で魔物を打ち滅ぼし、自分の年齢よりひとつ多い豆を食べることで翌年の健康を祈るという風習が、いつの間にか定着していきました。

名だたる京都の寺社でまかれる豆政の煎り大豆

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写真は壬生寺の大念仏狂言「節分」
京都ではさまざまな神社仏閣で、個性ある節分行事が執り行われています。たとえば、吉田神社では赤・青・黄の鬼が四つ目の方相氏(ほうそうし:悪鬼を追い祓う役)に追い祓われ、壬生(みぶ)寺では大念仏狂言「節分」が演じられます。また、伏見稲荷大社では福男福女及び福娘による華やかな豆まきが行なわれます。それぞれ特徴ある行事があり、どこに見に行ったらよいか迷うほどです。

そして、今も、壬生寺、上賀茂神社、平安神宮、吉田神社、八坂神社、伏見稲荷大社と、京都の名だたる寺社の豆まきに使われているのが豆政の煎り大豆。まさに京の伝統行事に豆政の豆は欠かせません。

定番の節分豆と大吟醸酒は王道の組み合わせ

豆政の豆菓子の中でも、もっともシンプルなものが節分の「福豆」。
普段は「煎り大豆」として販売されています。北海道産の大豆を水につけてもどし、固すぎず柔らかすぎず、豆の旨味を最も生かすよう直火で煎り、豆がほのかに焦げて香ばしさが出るように仕上げます。
大豆の旨味が最大限に引き出されていて、豆まきで地面にまいて捨てられてしまうのは惜しいほどのおいしさです。
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「この豆に合うのは日本酒ですね」と角田さん。改めて日本酒のおいしさに目覚め、料理とともに味わうことも多いそうです。「福豆」に合わせるのは「特撰松竹梅<大吟醸>磨き三割九分」。フルーティーで華やかな吟醸香と上品できれいな味わいが、福豆のほのかな甘みにぴったり合います。オーソドックスな煎り大豆と日本酒という、まさに王道の組み合わせです。

「福豆は年の数よりひと粒多く食べると、厄祓いになると言われています。ゆっくりと家飲みを堪能しつつ、福豆をアテにお酒を楽しんでほしいですね」と角田さん。

豆菓子屋がこだわる「わさび大豆」には、こだわりの全量芋焼酎「一刻者」を

煎り大豆にわさび風味をつけるとどうなるか? 心地よいわさびの風味を残すのは難しく開発に2年もかかったというのが、豆政の「わさび大豆」。
試行錯誤の末、わさびのツ~ンという刺激を醤油で包み込み、くせになるおいしさに仕上げたそうです。このこだわりの豆菓子に、芋と芋麹だけで作ったこだわりの全量芋焼酎「一刻者」のオンザロックを合わせます。
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わさび独特の「ツ~ン」とした味わいを楽しんだところで、「一刻者」をひと口。芋の香りと大豆本来の甘み、わさびの風味が三位一体となって、まさに絶妙のコンビネーション。もう一粒、もう一粒と、わさび大豆と酒がどんどん進んで止まりません。袋から取り出すだけで手間いらずなので、焼酎などの酒を家飲みするときに、ぜひ備えておきたい豆菓子です。

「カレービンズ」や「わさびピーナッツ」には、「タカラcanチューハイ」

「タカラcanチューハイ<レモン>」にぴったりのおつまみとなるのが、「カレービンズ」や「わさびピーナッツ」です。
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「カレービンズ」は、やわらかく揚げたそら豆に特製カレーパウダーをまぶしたスパイシーな豆菓子。子どもから大人まで、また観光客や外国人にも人気で、どんなお酒にもよく合います。
これを食べて、スパイシーな香りが口に残っている間に、「タカラcanチューハイ」をゴクリ。辛口ならではの甘くない爽やかなレモンの風味が引き立ち、口の中はスッキリ! 互いに引き立て合う、最高の組み合わせです。

また、大粒の落花生をコーティングした「わさびピーナッツ」も「タカラcanチューハイ」のアテにぴったり。わさびのピリッとした感触と海苔の風味が、爽やかな辛口のチューハイと好相性で満足感がさらにアップします。
「豆菓子をアテにお酒を飲むことで、会話がはずむきっかけにもなってほしいですね」。角田さんの想いです。

家族で豆まきをする風習をこれからも大切にしてほしい

角田さんに子どもの頃の豆まきの思い出を聞いてみると、「わが家では玄関の戸を開けて“福は内”と3回言って豆をまき、その後、“鬼は外”と1回だけ言ってピシャッと戸を閉めましたね」。
鬼を怖がらせるのに加え、鬼に豆をほどこして帰ってもらうという意味合いもあるのだそうです。
また、豆をまくときは上から投げるのでなく、アンダースローのように下から上へ向けてまくのだとか。なるほど、鬼に食べて帰ってもらうことを意識したやさしいまき方ですね。
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「家族そろって大声を出して豆をまくのは、明るくて楽しい行事ですからこれからも大切に守っていきたいですね」と角田さんは語ります。

豆政では節分の時期、京都市内の学校給食用に福豆を個包装にして納めています。これには、手間をかけた本当の炒り大豆のおいしさを子どもたちに知ってもらうとともに、伝統の節分行事がこれからも引き継がれていってほしいという角田さんの願いが込められています。

今年は2月3日が節分の日。翌日の4日が立春となります。家族で豆まきをした後は、「年の数+1」個の豆を食べるのもよし、酒のアテにするのもよし、そんな節分の夜長を過ごされてはいかがでしょうか。
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<取材協力>
豆政
住所:京都府京都市中京区夷川通柳馬場西入る六丁目264
営業時間:8:00~18:00(月〜土)日曜定休
https://www.mamemasa.co.jp

※新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、営業時間等に関しましては、店舗にお問い合わせください(取材日:2022年1月20日)
▽料理と一緒にご紹介したお酒はこちら
●特撰松竹梅<大吟醸>磨き三割九分
https://www.takarashuzo.co.jp/products/seishu/daiginjo_migaki39/

●全量芋焼酎「一刻者」
https://www.ikkomon.jp/

●タカラcanチューハイ<レモン>
https://www.takarashuzo.co.jp/products/soft_alcohol/regular/lineup/


▽そのほか、『ハンケイ500m』コラボ記事「京の歳時記と酒シリーズ」はこちらから。
『ハンケイ500m』ホームページ(https://www.hankei500.com

・京都出身のアナウンサーが新年を祝い、「七草粥」で身体をととのえ、「骨正月」に向けて酒を楽しむ噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/newyear_220107

・京都のフリーアナウンサーが、冬の京都の風物詩「大根焚き」を語り、「蒸し寿司」を堪能しながら酒を楽しむ噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/daikodaki_mushisushi_211203

・京都の老舗のご主人が、紅葉を愛でながら京都中華をアテに酒を楽しむ噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/momiji_211105

・「鞍馬の火祭」を思いながら、京都の老舗扇子屋の主人が家呑みする噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/kurama_himatsuri_211001

・「重陽の節句」を前に、京都の老舗扇子屋の主人が菊酒を楽しむ噺
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・先祖をしのぶ「五山送り火」を前に、京料理の名店で一献傾ける噺
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・夏本番となるこの季節、祇園祭に想いを寄せつつ家呑みする噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/gion_matsuri_210702

・「夏越の祓(なごしのはらえ)」を前に、陶芸家が晩酌で半年を振り返りつつ、新たな作品に意欲を燃やす噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/nagoshinoharae_210611

・やすらい祭のお囃子に浮かれつつ、春の宵にお酒を一献傾ける噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/yasurai_matsuri_210402

・大の酒好き、祇園祭の囃子方が京弁当をアテに飲む噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/hanami_bento_210305

   

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