京都の老舗豆菓子屋主人が語る「ひなまつり」の豆菓子と酒の噺
2022,3,3 更新
京都をよく知る酒好きの人物が、京都の名所や歳時記とともに、酒の楽しみ方を語るシリーズの第13弾。3月3日の「ひなまつり」の日に因んで、「ひなまつり」に合う豆菓子と酒について、京都の老舗豆菓子屋主人・角田潤哉(かくだ・じゅんや)さんに話をお聞きしました。
七段飾りとともに、家族で賑やかに桃の節句を祝う
角田さんは、明治17(1884)年に京都・夷川で創業した豆菓子の老舗「豆政」の五代目主人。角田さんはこの店で生まれ育ちました。
3月3日は女児の成長を祝う桃の節句「ひなまつり」です。角田さんが「ひなまつり」のたびに思い出すのは、お姉さんの七段飾りのひな人形が飾られていた子どもの頃の光景。ひな人形を眺めながら、砂糖がけをした甘いひなあられを食べて家族で桃の節句を祝ったそうです。
年月を経て、自身が娘を持つ父親となってからは、毎年ひな人形を飾って、「ひなまつり」のお祝いをしてきました。角田さんにとって「ひなまつり」とは、姉や娘のために、家族で祝う、賑やかで明るい光景、そんなシーンを思い出す特別なものだそうです。
「ひなまつり」の起源は諸説ありますが、平安時代の貴族のひな人形遊びを起源とする説があります。また平安時代には、紙で作ったひな人形を川に流すことで厄払いする習慣もありました。
江戸時代になり、人形遊びが、3月3日の上巳(じょうし)の節句(※)の儀式に結び付いて、現在のように、ひな人形が飾られるようになったと言われています。
※「上巳の節句」:五節句の中の一つ。桃の節句とも呼ばれる。中国が起源で、水辺で身体を清め、厄祓いをする風習があった。
年月を経て、自身が娘を持つ父親となってからは、毎年ひな人形を飾って、「ひなまつり」のお祝いをしてきました。角田さんにとって「ひなまつり」とは、姉や娘のために、家族で祝う、賑やかで明るい光景、そんなシーンを思い出す特別なものだそうです。
「ひなまつり」の起源は諸説ありますが、平安時代の貴族のひな人形遊びを起源とする説があります。また平安時代には、紙で作ったひな人形を川に流すことで厄払いする習慣もありました。
江戸時代になり、人形遊びが、3月3日の上巳(じょうし)の節句(※)の儀式に結び付いて、現在のように、ひな人形が飾られるようになったと言われています。
※「上巳の節句」:五節句の中の一つ。桃の節句とも呼ばれる。中国が起源で、水辺で身体を清め、厄祓いをする風習があった。
新しいひな菓子「ひなチョコあられ」や「クリーム五色豆」も人気
豆政では、節分の翌日から「ひなまつり」用の商品が並びます。代表的な商品はひなあられですが、関西のひなあられは醤油味のおかきが主流。そこでお子さんにも楽しんでもらえるよう10年前からおかきにピンクやホワイトチョコレートをかけた「ひなチョコあられ」を発売しています。
「『ひなチョコあられ』は、子どもさんにとても喜ばれましてね。すっかり人気商品となりました」と角田さん。バレンタインの時期とも重なり、購買層も幅広いとのことです。
また、淡いパステルカラーの「クリーム五色豆」も「ひなまつり」の明るいイメージにぴったりで、ひなあられの替わりに購入する人も多いそうです。
「クリーム五色豆」は、創業120年時に、豆政の代表銘菓「夷川五色豆(えびすがわごしきまめ)」を若い人向けにイメージチェンジした商品。
「夷川五色豆(えびすがわごしきまめ)」とは、明治20年から販売されている、豆に赤・黄・白・緑・茶の五色の砂糖がけをしたもの。それぞれの味わいも美味しく、おめでたい五色を使った華やかな豆菓子として京名物になりました。
また、淡いパステルカラーの「クリーム五色豆」も「ひなまつり」の明るいイメージにぴったりで、ひなあられの替わりに購入する人も多いそうです。
「クリーム五色豆」は、創業120年時に、豆政の代表銘菓「夷川五色豆(えびすがわごしきまめ)」を若い人向けにイメージチェンジした商品。
「夷川五色豆(えびすがわごしきまめ)」とは、明治20年から販売されている、豆に赤・黄・白・緑・茶の五色の砂糖がけをしたもの。それぞれの味わいも美味しく、おめでたい五色を使った華やかな豆菓子として京名物になりました。
そんな五色豆がもっと幅広い世代から愛される商品になるよう開発されたのが「クリーム五色豆」です。味はバナナ、ココア、抹茶、珈琲、ミルク。落花生を淡いパステルカラーのクリームで包んでいます。甘さがほどよく、柔らかいのが特徴です。
「ポップな色彩が特長なので、若い人向けにと開発しましたが、柔らかいので食べやすいと年配の人にも喜ばれています」と角田さんは話します。
「ポップな色彩が特長なので、若い人向けにと開発しましたが、柔らかいので食べやすいと年配の人にも喜ばれています」と角田さんは話します。
見た目も可愛いので、おみやげなどによく利用される商品ですが、「ひなまつり」の時期は、ひな段に飾るのにも最適。家族で食べるお菓子としてよく売れるそうです。
「ひなまつり」をスパークリング清酒「澪」と「クリーム五色豆」で祝う
パステルカラーの「クリーム五色豆」には、紅麹由来の淡いピンク色の「澪」<ROSE(ロゼ)>スパークリング清酒(期間数量限定)がぴったり。うすにごりタイプのさらりと軽く飲みやすい味わいが、「クリーム五色豆」ともよく合います。
「京都市には、伝統産業である清酒の普及促進のため、日本酒乾杯条例というものがあるんです。
だから京都市関連の会合の乾杯には、日本酒の発泡酒として青いビンの“澪”がよく使われますね」と、角田さんも馴染みの酒です。
「京都市には、伝統産業である清酒の普及促進のため、日本酒乾杯条例というものがあるんです。
だから京都市関連の会合の乾杯には、日本酒の発泡酒として青いビンの“澪”がよく使われますね」と、角田さんも馴染みの酒です。
家族で「クリーム五色豆」をつまみながら、大人はよく冷えた「澪」<ROSE(ロゼ)>と一緒に楽しむ。そばではしゃぐ子どもの姿を見ながら大人が「ひなまつり」を満喫する、そんなシーンもありですね。
飽きのこない「イタリアン・ピーナッツ」は古くて新しい風味
豆政では「クリーム五色豆」のほかにも、毎年、新しい豆菓子を開発しています。その中でも、今回角田さんが「ひなまつり」のおつまみとして勧めるのが「イタリアン・ピーナッツ」。
もともと10年前に、チキン・オニオン・ガーリックをベースに、イタリアンテイストの豆菓子として開発しましたが、去年、少しリッチな家飲みが増え出したこともあり、トリュフ・パウダーを加えてリニューアルしました。
バジルや黒胡椒も加わり、まさに酒のおつまみにぴったり。ほのかにトリュフが香り、皮つきのピーナッツがイタリアン風味にくるまれています。チューハイ、日本酒など、どんな酒にも合う飽きのこない味わいが魅力です。
他にはない、やみつきになる食感と風味は大人気で、リピーターや定期購入されるお客さんも多いのだとか。
もともと10年前に、チキン・オニオン・ガーリックをベースに、イタリアンテイストの豆菓子として開発しましたが、去年、少しリッチな家飲みが増え出したこともあり、トリュフ・パウダーを加えてリニューアルしました。
バジルや黒胡椒も加わり、まさに酒のおつまみにぴったり。ほのかにトリュフが香り、皮つきのピーナッツがイタリアン風味にくるまれています。チューハイ、日本酒など、どんな酒にも合う飽きのこない味わいが魅力です。
他にはない、やみつきになる食感と風味は大人気で、リピーターや定期購入されるお客さんも多いのだとか。
「イタリアン・ピーナッツ」は全量芋焼酎「ISAINA(イサイナ)」のロックで
定番を守りつつも、時代に合わせて新商品を開発する豆政ですが、この新しい「イタリアン・ピーナッツ」に合わせるお酒として今回選んだのが、新タイプの“全量芋焼酎「ISAINA(イサイナ)」です。
「ISAINA」は、麹まで芋を使用した「全量芋焼酎」で、独自の「かおり酵母」により、「炭酸割り」では、瑞々しいリンゴを思わせるフルーティーな香りが引き立ち、一方、ロックでは、麹まで芋を使用した「全量芋仕込」により焼き芋のようなほっこり甘い香りが楽しめる新感覚の焼酎です。
「ISAINA」は、麹まで芋を使用した「全量芋焼酎」で、独自の「かおり酵母」により、「炭酸割り」では、瑞々しいリンゴを思わせるフルーティーな香りが引き立ち、一方、ロックでは、麹まで芋を使用した「全量芋仕込」により焼き芋のようなほっこり甘い香りが楽しめる新感覚の焼酎です。
「ISAINA」のロックと「イタリアン・ピーナッツ」。まさに焼き芋のような甘い香りを堪能しつつ、豆の味わいや歯ごたえを楽しめる組み合わせは、少しリッチな「ひなまつり」のひとときを演出してくれます。
何回も食べたくなる味わいを目標に
今や豆政の看板商品にもなった「クリーム五色豆」と「イタリアン・ピーナッツ」。
「新商品を開発するときは、単なる珍しさで勝負するのではなく、何回も食べたくなる味を目指しています」という角田さん。それがたくさんのリピーターを抱える成功の秘訣なのでしょう。
「新商品を開発するときは、単なる珍しさで勝負するのではなく、何回も食べたくなる味を目指しています」という角田さん。それがたくさんのリピーターを抱える成功の秘訣なのでしょう。
伝統行事である「ひなまつり」には、ひな人形を飾って子どもの成長を祝いつつ、今の時代に合わせてアップデートされた酒やおつまみを演出する。こんな洒落た組み合わせは、伝統行事が子どもから大人まで全世代の楽しみになり、後世に引き継がれるエッセンスなのかもしれません。
<取材協力>
豆政
住所:京都府京都市中京区夷川通柳馬場西入る六丁目264
営業時間:8:00~18:00(月〜土)日曜定休
https://www.mamemasa.co.jp
※新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、営業時間等に関しましては、店舗にお問い合わせください(取材日:2022年2月18日)
▽料理と一緒にご紹介したお酒はこちら
●松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒
http://shirakabegura-mio.jp
●松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒<ROSE >(期間限定)
宝酒造オンラインショップ
https://shop.takara.co.jp/shop/pages/mio_lp.aspx
●全量芋焼酎「ISAINA」
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/isaina/
住所:京都府京都市中京区夷川通柳馬場西入る六丁目264
営業時間:8:00~18:00(月〜土)日曜定休
https://www.mamemasa.co.jp
※新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、営業時間等に関しましては、店舗にお問い合わせください(取材日:2022年2月18日)
▽料理と一緒にご紹介したお酒はこちら
●松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒
http://shirakabegura-mio.jp
●松竹梅白壁蔵「澪」スパークリング清酒<ROSE >(期間限定)
宝酒造オンラインショップ
https://shop.takara.co.jp/shop/pages/mio_lp.aspx
●全量芋焼酎「ISAINA」
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/isaina/
▽そのほか、『ハンケイ500m』コラボ記事「京の歳時記と酒シリーズ」はこちらから。
『ハンケイ500m』ホームページ(https://www.hankei500.com)
・京都の老舗豆菓子屋主人が語る「京都の節分と酒」の噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/setsubun_220203
・京都の老舗料理旅館「八千代」の支配人が語る和食と日本酒の噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat2/japanesefood_221104
・10月1日は「日本酒の日」―北野天満宮と日本酒との深い縁の噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/sakeday_220930
・京名物・黒七味屋当主が語る祇園祭の神事とお酒の噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/gionfestival_220624
・京名物・黒七味屋当主が語る祇園祭とお酒の噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/gionfestival_220603
・宇治の有機茶園社長が語る「新茶」とお茶割りの噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/media/works/v2/articles/240
・京都の篠笛奏者が語る花見と酒の噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/hanami_sake_220401
・京都出身のアナウンサーが新年を祝い、「七草粥」で身体をととのえ、「骨正月」に向けて酒を楽しむ噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/newyear_220107
・京都のフリーアナウンサーが、冬の京都の風物詩「大根焚き」を語り、「蒸し寿司」を堪能しながら酒を楽しむ噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/daikodaki_mushisushi_211203
・京都の老舗のご主人が、紅葉を愛でながら京都中華をアテに酒を楽しむ噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/momiji_211105
・「鞍馬の火祭」を思いながら、京都の老舗扇子屋の主人が家呑みする噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/kurama_himatsuri_211001
・「重陽の節句」を前に、京都の老舗扇子屋の主人が菊酒を楽しむ噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/choyo_sekku_210903
・先祖をしのぶ「五山送り火」を前に、京料理の名店で一献傾ける噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/gozan_okuribi_210806
・夏本番となるこの季節、祇園祭に想いを寄せつつ家呑みする噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/gion_matsuri_210702
・「夏越の祓(なごしのはらえ)」を前に、陶芸家が晩酌で半年を振り返りつつ、新たな作品に意欲を燃やす噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/nagoshinoharae_210611
・やすらい祭のお囃子に浮かれつつ、春の宵にお酒を一献傾ける噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/yasurai_matsuri_210402
・大の酒好き、祇園祭の囃子方が京弁当をアテに飲む噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat1/hanami_bento_210305
『ハンケイ500m』ホームページ(https://www.hankei500.com)
・京都の老舗豆菓子屋主人が語る「京都の節分と酒」の噺
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・京都の老舗料理旅館「八千代」の支配人が語る和食と日本酒の噺
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・10月1日は「日本酒の日」―北野天満宮と日本酒との深い縁の噺
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・宇治の有機茶園社長が語る「新茶」とお茶割りの噺
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・京都の篠笛奏者が語る花見と酒の噺
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・「鞍馬の火祭」を思いながら、京都の老舗扇子屋の主人が家呑みする噺
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・夏本番となるこの季節、祇園祭に想いを寄せつつ家呑みする噺
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・「夏越の祓(なごしのはらえ)」を前に、陶芸家が晩酌で半年を振り返りつつ、新たな作品に意欲を燃やす噺
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・やすらい祭のお囃子に浮かれつつ、春の宵にお酒を一献傾ける噺
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・大の酒好き、祇園祭の囃子方が京弁当をアテに飲む噺
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