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夏はひんやり“日本酒ロック”の噺

夏はひんやり“日本酒ロック”の噺

2021,8,13 更新

暑い夏のお酒の定番といえばキンキンに冷えたビールやレモンサワーを思い浮かべる方が多いと思います。でも、冷たくしておいしく飲めるお酒はまだまだあります。
そこで今回は「日本酒」に着目。日本酒はさまざまな温度帯で楽しめるお酒です。お燗や常温(冷や)、冷やしても美味しくいただけるのが魅力。今回はさらに趣向を変えて日本酒の新しい飲み方として“日本酒のロック”をご紹介します。

息をするだけでも暑い夏。1日頑張ったご褒美に、すっきりと冷たいお酒で体を癒すのは何よりの至福感と爽快感が得られますよね。
こんな時はいつもの定番のお酒もいいですが、たまにはちょっと違うものをということで、ぜひ“日本酒ロック”をお試しください。

酒噺的、“日本酒ロック”のすすめ

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生粋の日本酒好きの方からすると、「日本酒に氷を入れて飲むなんて邪道だ」と思われるかもしれませんが、日本酒の原酒(※1)を飲みやすくするため水を加える“加水”の風習は江戸時代からあったもの。
であれば、氷の冷たさで喉越しをスッキリとさせて、アルコールをほどよく和らげてくれる“日本酒ロック”は、氷が手軽に手に入る現代ならではの日本酒の楽しみ方と言えるのではないでしょうか。
“日本酒ロック”は、冷たくて、 爽快に味わえるだけでなく「日本酒の味は好きだけれど、アルコールが強くて苦手」という方にもオススメです!

(※1)原酒…発酵させ搾ったままのお酒で、アルコール度数を調整するための加水を行っていない日本酒

“日本酒ロック”の楽しみ方

「日本酒ロック」の作り方はとても簡単。氷とグラスと日本酒さえあれば出来上がりです。ただし、美味しく作るにはほんのちょっとコツが必要なんですよ。

“日本酒ロック”を美味しく楽しむための5つのポイント

1.ロックグラスと日本酒は、冷蔵庫でしっかりと冷やしておく
2.氷は製氷機でつくったものでもOKだが、スーパー等で売っている透明なロックアイスを使用すると美味しさがより一層引き立つ
3.氷はたっぷりと使う
4.日本酒の入れすぎは禁物。グラスの6分目程度の割合にする
5.日本酒を注いだら、ゆっくり3周ほど混ぜる


また、“日本酒ロック”を楽しむためには、ロックに合う日本酒選びも大切です。
氷が溶けるに従って緩やかに変わっていく味の変化を楽しめるよう、加水されていない原酒や加熱処理をしていない生酒(※2)が、ロックにはぴったり。
もし無濾過(むろか)生原酒(※3)といった日本酒が手に入れば言うことなしです。原酒や生酒の他にも、どっしりとしたコシのある日本酒は加水しても味がぼけることなく美味しくいただけますので、ぜひ色々な種類の日本酒を試していただいて、皆さんのお好きな一本を選んでみてくださいね。

(※2)生酒…日本酒の製造では、普通、もろみをしぼった後と、貯蔵・熟成後びん詰めの前に2度、酵素の働きを止め、殺菌するために「火入れ」と呼ばれる加熱処理を施して酒質を安定させるが、この火入れを一度もしていない日本酒
(※3)生原酒…搾ったそのままの日本酒。「濾過」や「火入れ」、「加水」を行わないので、フレッシュでお酒本来の旨みとコクが楽しめる


“日本酒ロック”はアレンジも自在!?

氷と日本酒だけで既に美味しい日本酒のロックですが、ちょっとアレンジを加えるとさらに口当たりよくいただくことができます。今回は、定番のロックに加えて、暑い夏の日にぜひ味わってほしいアレンジメニューをご紹介していきます。

まずは定番のロック

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まずはシンプルなロックから。
しぼりたての味わいをそのまま瓶詰めした松竹梅「生」(生酒)は、華やかな香りが特徴。
氷を加えることで、香りとまろやかな味の輪郭がはっきりと際立ちます。夏の火照った体に、冷気が沁みていくような心地よさ。
これまで夏の定番になっていなかったのが不思議なほどです。

レモンサワーの牙城を狙う?レモンロック

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“日本酒ロック”に、レモンをきゅっと搾ります。口当たりが柔らかく、日本酒のもつ麹の甘い香りにレモンの爽やかな芳香がよく合います。軽やかでほのかな甘みが感じられる、夏向きのアレンジです。

実はカクテルの定番、「サムライロック」

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カクテルというと、リキュールやスピリッツのイメージがありますが、実は昭和中期ころから日本酒を使ったカクテルはいくつも考案されてきました。そのなかで、抜群の知名度を誇るのが「サムライロック」
“日本酒ロック”にライムを搾って入れる飲み方ですが、これはもともと日本酒が苦手な人のために考案されたものだそうです。
松竹梅「かおりパック」<酵母877>のような、香り豊かで冷やして美味しい日本酒でつくるとその味わいは一変。苦手な人が飲むどころか、これを飲んだら一気に日本酒が好きになってしまうかもしれません。
ライムのほのかな苦味が加わり、日本酒の柔らかな甘さに奥行きと深みが出ますよ。

日本酒そのものの甘さを生かした爽快カクテル、「SAKEモヒート」

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近年、夏のお酒として人気が高まってきたモヒート。
本来はラムをベースに作るお酒ですが、これも日本酒をベースにすると雰囲気が一変します。グラスにたっぷりの氷を入れ、ライムを搾り入れたら、これまた山盛りのミントを加えて、日本酒を60mlほど入れます。そこに同量の炭酸水を加えて軽くステアしたら出来上がり。シロップを使うラムのモヒートと比べて、甘さは控えめ。日本酒本来の自然で柔らかな甘みと、ミントとライムのスッキリとした香りが意外にも仲良く調和します。

今年の夏は“日本酒ロック”デビューしてみませんか?

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暑い日の晩酌の定番になりそうな“日本酒ロック”。
お酒だけを楽しんでも良いのですが、採れたてのきゅうりやトマトと一緒に食べるのもなんとも乙なもの。さらに、これからの時期に出回る、すだちやかぼすといった日本産の柑橘類とあわせても美味しくいただけます。
日本酒の新しい世界が開けるかもしれない“日本酒ロック”とそのアレンジ。
「日本酒に氷なんて」「日本酒にレモンなんて」と思っている皆さんも、ぜひお試しくださいね!
   

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