京都・先斗町の居酒屋「勝天」に聞いた外国人が注目するSakeと日本食文化の噺
2023,8,25 更新
京都を拠点に第一線で活躍されている匠が、お酒の楽しみ方を語るシリーズ。今回は、京都・先斗町にある「酒と肉天ぷら 勝天(がってん)」の営業部長・藤岡信久さんに、訪日客に人気の料理とお酒、そして日本食文化の広がりについてお聞きしました。
外国人観光客が求めるのは「Japanese Sake」と日本食文化の体験
また、日本酒は13年連続で海外への輸出が増えています。(日本酒造組合中央会調べ)
まさに世界は日本食&和酒ブーム。世界中に日本の食文化が広がってきているのです。
中でも「日本酒」は、訪日客や日本の若者に日本酒の美味しさ知っていただく入口として、松竹梅「豪快」を使ったオリジナルの「SAKEカクテル」(メイン写真)を開発。映える見た目とフルーティな味わいで飲む人を虜にしています。
情緒ある先斗町でこだわりの日本食とお酒が楽しめるとあって、欧米諸国をはじめ、中国、韓国、台湾、香港など、世界中からお客様がいらっしゃる同店。コロナ禍を経て賑わいも戻り、取材した当日も店内は活気にあふれていました。
そんな気持ちから、来店する方のほとんどが「日本酒」を注文されるそうです。
勝天では、日本酒やワイン、焼酎など100種類のお酒がスタンバイ。その中でも、日本酒を使ったオリジナルの「SAKEカクテル」は大ヒットドリンクです。
SAKEカクテル
一番人気は「SAKE抹茶」。
現在「日本茶」が世界的にも健康食として注目を集めていて、その代表格である「抹茶」をぜひ味わってみたいという人が多いのだとか。
勝天では、京都・都茶寮の宇治抹茶をたて、ほんの少しフレッシュミルクをプラス、お好みで香りづけもできるよう、シナモンスティックを添えます。
甘さとまろやかさのある「SAKE抹茶」は、女性客に特に人気で、「Oh!(美味しい)」と目を輝かせるそう。
他にも、季節の果物がふんだんに入った甘めの「SAKEレブヒート」、清涼感があるミントが香る「SAKEモヒート」、カシスの甘さが際立つ「SAKEキールロワイヤル」など、いずれも日本酒がまろやかに調和して飲み口がよく、ほろ酔い気分になれる楽しい飲み物です。
SAKE抹茶
これは、日本酒のカクテルを飲む前に、まずはシンプルに「日本酒」そのものの香りや味わいを体験してもらいたい、という店側の思いからです。
「日本酒は海外のウィスキーやジンなどに比べ、馴染みやすくやわらかい味わいのお酒です。クセがない分、炭酸水や果汁などどんな割材にもしっくりと馴染む。本来、日本酒はストレートで味わうものですが、日本酒の入り口を広げたくてカクテルを考えたのです」と藤岡さん。
中でも「豪快」はクセがなく親しみやすい味わいのため、カクテル向きです。
「こお酒は、日本人が日常的に飲むスタンダードなお酒です」と紹介すると、お客様は口にふくみ、スッキリとした喉ごしに納得。2杯目からはSAKEカクテルでなく、日本酒を注文する人も少なくないそうです。
一番人気は「SAKE抹茶」+「勝天串」
勝天串
衣の軽さと肉のやわらかさ、また上品なうま味が重なる最高の一品です。
このままでももちろん美味しいのですが、添えられた特製タレにくぐらせると、さらに美味に。
オリジナルの特製タレは、牛肉の出汁、酢、唐辛子で作り、酸味が利いたサッパリとした味。
このタレで肉天ぷらがヘルシーな味わいになり、SAKEカクテルとマッチして、串にもグラスにものばす手が止まりません。
黒毛和牛サーロイン(写真左)
衣に包まれた霜降り和牛の上質な風味が、口の中でとろけます。添えられたワサビもピリッと爽快。
カラッと揚がった天ぷらには、SAKEカクテルで香るさっぱりとした日本酒の風味が合う。そんなペアリングのよさにも気づかされます。
横綱級の組み合わせ、スパークリング日本酒「澪」+「特選のっけこぼれ寿司」
いまやスパークリング日本酒はフランスのソムリエにも注目され、フレンチレストランで食前酒として出す店もあるそう。確かにフレンチの食前酒、シャンパンのような飲みやすさと口あたりは日本酒ビギナーや強いお酒が苦手な人にもうってつけ。料理をやさしく引き立ててくれるのも好ポイントです。
澪/特選のっけこぼれ寿司
また、「もっと具をのせてほしい」というお客様からのリクエストでメニューになった「メガ盛り」は、原価度外視の大サービス。
「せっかく京都に来て下さったのだから、日本の料理とお酒をたっぷり楽しんでもらおう」という勝天ならではの心意気が見えます。
シメは京都限定「寶CRAFT」+「生の牛肉ユッケ寿司」
寶CRAFT<京都ゆず>/生の牛肉ユッケ寿司
茶畑や梅林、ゆず園……自然豊かな京都が生んだ美味しさで、人気メニューになっているそうです。
そんな「寶CRAFT<京都ゆず>」に合せるのは、ひと手間かけて作る「炙り牛ユッケ寿司」。その長さなんと50㎝! ごま、ショウガ、海苔を混ぜたご飯の上にツヤツヤのユッケが載せられてテーブルへ運ばれます。
お肉の焼ける香ばしい匂い、口の中でほどける牛肉の旨み、五感で味わう豪快な食体験に、食事も一気に盛り上がるそうです。
なおこの「炙り牛ユッケ寿司」は限定メニューのため、予約が無難です。
「日本食文化」を京都から世界にどんどん発信したい
コロナ禍前は、魚をお客様の目の前でさばくパフォーマンスにも歓声が上がったそう。
秋以降の再開を、店のスタッフも心待ちにしているそうです。
また勝天にとって「お酒」とは、食事をより美味しくさせ、コミュニケ―ションを和やかにするのに欠かせない「相棒」だと言います。
好奇心を満たす、楽しい食体験を通して日本食・和酒文化を多くの人に知ってもらいたい――勝天は、京都から世界への日本食文化の発信にますます力を入れています。
<取材協力>
住所:京都市中京区柏屋町170かつやビル1F
URL:https://kyotogatten-pontocho.com
▽料理と一緒にご紹介したお酒はこちら
●松竹梅「豪快」(※料飲店ルート限定)
https://www.takarashuzo.co.jp/products/seishu/gokair/
●松竹梅白壁蔵「澪」
https://shirakabegura-mio.jp/
●「寶CRAFT」
https://www.takarashuzo.co.jp/products/soft_alcohol/takara_craft/
『ハンケイ500m』ホームページ(https://www.hankei500.com)
・7月10日は「納豆の日」― 発酵食の定番・納豆と日本酒を愉しむ噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat2/natto_230710
・6月16日は「和菓子の日」—京都の老舗菓子司・末富の4代目が語る和菓子と酒の噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat2/suetomi_230616
・行列の絶えない人気立ち飲み店オーナーが語る、京都の立ち飲み文化と酒の噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat3/tachinomi-sharp_230407
・京都の老舗菓子司・末富の4代目が語る新しい京菓子に合うお酒の噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat2/suetomi_230303
・発酵食のスペシャリストが語る味噌と日本酒の噺
https://sakabanashi.takarashuzo.co.jp/cat2/fermentedfood_230203
・専門家が語るおせちのアレンジ料理とお酒の噺
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・専門家がおせちのポイントを伝授!新年を彩るおせち料理とお酒の噺
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・京都の老舗料理旅館「八千代」の支配人が語る和食と日本酒の噺
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・10月1日は「日本酒の日」―北野天満宮と日本酒との深い縁の噺
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・京都の和菓子職人が語る、和菓子と酒の噺
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・漬物屋お勧めの漬物と酒で、夏の晩酌を楽しむ噺
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